名古屋学院大学シラバス


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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
5限【教養】国際政治学春A名古屋 21鈴木 規夫AO1302

【授業情報】

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講義概要

「国際政治学」とは、国際政治、すなわち主権国家間に生じる独自の対象領域を有する社会科学の一分野です。ただ、これが学問として成り立つようになったのは、実質的には第二次世界大戦後であるとされています。たとえば、主権国家間の国家理性のバランスを考えれば永久平和が実現すると夢想した、 I.カントの『永久平和論』 (1795) に代表されるような一般的構想が発表されてから第1次世界大戦までは、現実政治では、国家間の力の均衡を維持する為の様々な動きがありましたが、主権国家間の政治を考えるという知的枠組みを構築する事は本格化しませんでした。国際政治に対する関心が一般化し,アメリカ,イギリスを中心に国際政治学が誕生したのは、いわゆる戦間期です。1920年代の国際政治学は、ユートピア的色彩、制度論的傾向、方法論上の不明確さなどの限界をもつもので、 30年代後半のきびしい国際環境の中から、それらの限界を批判し権力の役割を重視する現実主義の立場の国際政治学が生れ、第2次世界大戦後の学界でも一時主流を占めるに到りました。国際政治の複雑さの増大(入手、分析可能な情報量の肥大化)と諸科学分野の協力が進むと、権力政治論の立場(H.モーゲンソーなど)に対して、その権力概念や国家的利益の概念の独断性を批判する様々な理論が生れ、対外政策決定理論、内容分析、紛争理論、ゲームの理論、国際体系論、相互依存論、構築主義など理論化の試みが現れ、「厳密科学」への志向が強まっていくと共に、平和の確立を課題とする平和研究が国際政治学の一分野として重視されるようになりました。(cf.ブリタニカ国際大百科事典)
 本講義では、日本における国際政治学の形成に大きな役割を果たした、坂本義和と高坂正堯の二人のテクストを紐解きながら、現実の国際・世界政治を読み解いていくリテラシーを育成していきたいと考えております。
なお、本講座は、本学のディプロマポリシーである人間、社会、文化、自然等に対する幅広い知識を身に付け、豊かな国際感覚を整え、社会の発展に貢献できることを目指しています。



【学習到達目標】

世界の成り立ちと趨勢の力学的構造をよく認識し、新聞、ニュース番組等の内容を、時間的にも空間的にも、より深く理解できるようになる事が、本講義の到達目標です。



履修上の注意

まず、テクストの指定範囲を事前に熟読し、よく理解する事に努め、講義内容を聞きながら、自分でノートをとれるようになっておく事が肝心です。



【事前準備学習】

テクストの指定範囲を事前に熟読すると共に、前回までの講義の復習に努める事。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『権力政治を超える道』 坂本義和 岩波書店 2015
『国際政治―恐怖と希望 (改版)』 高坂正堯 中央公論新社 2017
参考書その他、必要に応じて講義中に参考文献を指示します。
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

試験70% 平常点30%(出席および小レポートの評価)



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1はじめに
2問題への視角
3軍備と平和
4経済交流と平和
5国際機構と平和
6平和国家と国際秩序
7ウィーン体制の精神構造
8中立日本の防衛構想
9平和運動における心理と論理
10権力政治を超える道
11軍事化・軍拡・軍縮
12いかにして軍縮を実現するか
13平和の研究
14平和・開発・人権
15世界秩序の構造変動
16定期試験期間