【講義概要】
本講は、高等学校において「化学基礎」は履修したけれど「化学」を履修してこなかった学生向けの「教養化学」として位置づけている。従って、高等学校の「化学」を基本として、物質の状態や原子分子の仕組みなどの気品的事項から生活の化学、環境の化学などの15のトピックを取り扱うこととする。
前半では、物質の性質を化学的な見方から解明することに重点を置き、後半は身の回りの物質の特性や生活に生かされていることなど、物質の特性を身近に理解することを目的としている。
現代社会では、さまざまな物質が身の回りに存在し活用しているが、それらがどのように作られ、とのような特徴があるのかに関心を持つことが少ない。それらの物質についての見方考え方を深めることを通して、さまざまなところで活用されていることに関心を高めていく。
本講では、パワーポイントを利用して、必要に応じて実験映像などを視聴するようにする。授業中はいくつかの発問を行うので、受講生はそれに解答できるようにすることを求める。
【学習到達目標】
1)科学の特性を再認識し、物質の性質などについての理解を深める。
2)物質の特性を調べる方法やそれらがどのように活用されているかに関心を持つ。
3)化学の学習を通して、論理的な思考力や批判的思考力を発展させる。
4)質疑応答や授業時のグループ討議の中で、物質概念についての見方や考え方を深める。
5)物質概念の発展を通して、産業や社会生活における危険性や安全性に関心を高める。
【履修上の注意】
本講では、パワーポイントを用いるのでそれぞれの解説についてのしっかりとノート記述すること(カメラによる複写は可とするが、できるだけ早くノートへの記載を求める)。パワーポイントとともに、観察実験などの様子のビデオ視聴をするので、できる限り前列に着席すること。
必要に応じて随時ノート点検を行うので、本講義に特定したノートを作成すること。
受講態度が悪い受講生として判断した場合は、その場で注意し退出を求める。3回以上の退出を求められた受講生は、履修取り消しとすることがある。
【事前準備学習】
本講のシラバスを参考に、各授業の内容に関する予習を求める。主に、高等学校「化学」とその発展であるから、シラバスの内容からURL上のまたは参考図書(高等学校化学教科書など)をとおして予習する。
講義の中で不明な点や理解できなかった点については、参考図書などで補足することで理解を深めることを推奨する。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特に、教科書としては求めない・ |
参考書 | パワーポイントの内容には文字情報だけではなく図表(写真や動画)が含まれる。パワーポイントの内容に関するプリントは配布しない。それに替わり各自が携帯などのカメラを用いて、その内容を理解するように、早期にノートへの記述を求める・ |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
受講中の態度(特に、私語や居眠り、授業とは関係の無い行動)には、その都度注意する(20%)。
必要に応じて、内容などに関する質問を行うので注意して受講する(受講態度)(20%)。
最終テストは講義内容のトピックの理解の程度及び記述式で行う(60%)。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 化学とは: 自然科学と化学(科学の本質および化学の範囲について) | |
2 | 身近な物質の状態:純物質、混合物、精製の方法、物質の三態と変化 | |
3 | 元素:原子の構造、電子配置、周期表、分子の構成、化合物(化学式) | |
4 | 水の不思議:構造、極性、三態変化、水溶液における水、自然界の水 | |
5 | 気体の特性:分子運動と熱、気体の法則、空気とその他の物質 | |
6 | 固体の特性と構造:金属や結晶の化学結合 | |
7 | 化学反応:化学反応と熱、化学平衡、自然界の平衡 | |
8 | 酸とアルカリ:水溶液中のイオン、中和、身近な物質の酸とアルカリ | |
9 | 中和滴定に量的関係(モル濃度の概念) | |
10 | 酸化と還元:燃焼の化学、身近な酸化や還元反応 | |
11 | 酸化と還元:金属のイオン化傾向と電池 | |
12 | 有機化学:炭化水素、酸素を含む、身近な有機物質の性質 | |
13 | 有機化学:芳香族炭化水素とその性質 | |
14 | 有機化学:糖、タンパク質、アミノ酸 | |
15 | 化学と化学工業:合成繊維、合成樹脂 | |
16 | 最終試験 | |