【講義概要】
本講義では、古典文学・近現代文学に表現された「災害・戦争・病気」の考察を通して、「災害・戦争・病気」と人間、または社会との関係について考えることを目的とします。授業では、具体的な作品(映像作品も含む)を取り上げ、その作品の文化的・時代的な背景を理解した上で、登場人物の心情や生き方に検討を加えていきます。また、作家とその家族の生涯や、文学作品以外に作家の残した手紙などにも注目したいと思います。このように、戦争や災害などの困難に直面した先人たちの文学表現や生き方を学ぶことは、時代が進んでも、災害や戦争、病気とは無縁に生きることのできない私たちにとって有意義なことであると考えます。また、日常生活で触れることの少ない古典文学を学ぶ楽しみとして、昔話や怪談話を取り上げます。時代の経過に伴い、その話がどのように変容していったのか、その意味について考察します。
【学習到達目標】
・文学作品における災害や戦争、病気の描写と社会との関係を理解する。
・作家の生き方、またそれに深い影響を与えた人々について理解する。
・空間や時代の違いにより、物語が変容する意味とその面白さを理解する。
・文学作品を読んで、自分の考えたことを、論理的に表現する文章力を習得する。