【講義概要】
本講義は、大学ディプロマポリシーに掲げる「人類の平和と福祉を希求する精神」の基礎となる「人間、社会、文化、自然等に関する幅広い知識を身に付けている」ことを達成するために、カリキュラムポリシーに掲げる「成熟した市民として必要な教養の獲得」の一環として、わたしたち人間および人間文明の歴史を、地球史的観点から概説するものである。
高校までの「世界史」がとりあつかうのは、文字通りの歴史、すなわち、文字や口承等によって記録された文字通りの「歴史」が主である。しかし、拡大した人間活動が地球環境全体に影響をあたえる現代において、人類の未来を考えるためには、人類以前まで時代をさかのぼって、地球史の一部として歴史をとらえる必要がある。
そこで本講義では、地球の誕生〜現代人 (ホモ・サピエンス) の誕生に重点をおいて講義したうえで、それをいわゆる「世界史」と接続することによって、人間社会の歴史を地球史的視野から理解することをめざす。
【学習到達目標】
1)「人新世」について理解し、説明できる。2)地球誕生から現代までの生物進化の概要を説明できる。3)「最後の共通祖先 LCA」からホモ・サピエンスにいたる人類の進化史の概要を説明できる。4) 文明の諸相とその進化、変遷について知る。5)これらの知識や理解を通じ、よりよい人間のあり方を考える力を身につける。
【履修上の注意】
いっけんよくわからない内容、自分の実生活にはあまり関係ない内容だと感じても、「とりあえず興味をもって」授業に臨んでください。また、教員の講義内容をうのみにせず、自分の頭で納得できるまで考えてください。納得できないことは質問してください。
【事前準備学習】
毎回、次回の講義の簡単な予告をします。予告で示されたキーワードについて簡単にでよいので調べてきてください。講義後は、自分でとったノートや配布資料をもとに、簡単な授業概要を作成しましょう。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書は使いません。適宜参考資料を提示したり紹介します。 |
参考書 | 『ヒトはこうして増えてきた―20万年の人口変遷史―』 大塚柳太郎 新潮社 2015 上にあげた参考書は後半の授業のタネ本です。所持していなくても理解できるよう授業をすすめます。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点(50%)と定期試験(50%)で評価する。平常点は毎回の講義終了時の小テスト課題で評価する
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 授業の目的、概要、進めかた、評価方法 | |
2 | 「人新世」としての現代 | |
3 | 文明史・地球史としての世界史 | |
4 | 地球の歴史を概観する | |
5 | 人類の進化史を概観する | |
6 | 「歴史」を可能にするヒトの特性:想像力 | |
7 | ホモ・サピエンスの歴史(1)サピエンス誕生 | |
8 | ホモ・サピエンスの歴史(2)農耕以前 | |
9 | ホモ・サピエンスの歴史(3)定住と農耕 | |
10 | ホモ・サピエンスの歴史(4)都市と文明 | |
11 | ホモ・サピエンスの歴史(5)第一の人口循環 | |
12 | ホモ・サピエンスの歴史(6)中世の人口循環 | |
13 | ホモ・サピエンスの歴史(7)人口転換、そして現代へ | |
14 | ホモ・サピエンスの未来 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |