【講義概要】
主に始めて哲学を学ぶひとのために哲学や倫理の諸問題と基礎知識を説明します。まずは最初の4回で、私たちの知識や行動基準の「基礎を問うこと」の意味を考えます。私たちの日々の行動や判断も、意識はしなくてもそれに基づいているはずです。そこでの焦点は「ものの世界」を越えた「何か」ですが、そのことを第5回から第7回の授業で考えていきます。それによって、人間のあり方の図式が見えてきます。第8回から第11回では、真理をどこに求めるのか--こころの中か、世界の現れか、はたまた「神」か--という問題を、過去の哲学者たちの考えを分類整理しながら紹介します。第12回以降は、以上の議論を踏まえながら、とりわけ現代に生きる私たちの問題を取り上げ、科学の「進歩」の意味を考えていきます。
本講義は、本学のディプロマ・ポリシー(全学)のうち、「人間、社会、文化、自然等に関する幅広い知識を身につける」こと、「論理的思考力等の技能を身につける」こと、それらを通して「思考力・判断力」を涵養することを目指します。また毎回レポートを書いてもらいますので、「表現力」の養成ともなるでしょう。
【学習到達目標】
私たちの日頃の何げない思考、行動、判断の中にも、「良さ」、価値を求める人間の構造が隠されています。この授業は、普段明確には意識していない、その倫理の構造を意識化することを目標とします。また、そのようなことを考えることによって、思考の柔軟性を身につけることをも目的としています。
【履修上の注意】
私語厳禁・時間厳守を徹底します。授業開始時刻に入室していなければ遅刻とします。また座席指定です。いずれも真面目に取り組もうとする学生の環境を守るためですので、ご理解下さい。
【事前準備学習】
授業時に配付したプリントを復習し、その要点を確認しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 必要なものはすべてプリントで配付します。 |
参考書 | 哲学者の文献については授業中に適宜紹介します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
各回の授業の最後約20分間で、その回の授業内容のレポートを提出してもらいます。各回のレポートの出来を点数化し、その合計に学期最後の定期試験の点数を加算して評価します。ただし、各回のレポート:定期試験=約8:2で、圧倒的に平常点重視です。また、欠席6回で失格とします。
各回のレポートの点数は一回の授業ごとにCCSでお伝えします。細また、最終回にそれまでのレポートを返却いたします。部については第1回授業で説明します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション | |
2 | 哲学とは何か/哲学という言葉 | |
3 | 知識の基礎を問うこと | |
4 | 考えるときの「枠組み」 | |
5 | 哲学を学ぶ意義 | |
6 | 形而上学とは何か/論理実証主義 | |
7 | ブーバーより...「超越」を考えること | |
8 | カントとパスカル...中間者としての人間 | |
9 | 個と普遍の問題/プラトンの「イデア論」...言葉の限界と「イデア」 | |
10 | アリストテレスの「質料形相論」...ものの世界と「目的」 | |
11 | ソフィストvsソクラテス...倫理に普遍性があるか | |
12 | 確かさとは何か/見ることと言葉 | |
13 | 「進歩」とは何か | |
14 | 自由と価値 | |
15 | 人間のあり方の構造 | |
16 | 定期試験期間 | |