名古屋学院大学シラバス


                シラバス

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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
1限経済政策論1秋A名古屋 22水田 健一EK2317

【授業情報】

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講義概要

 本講義では、市場メカニズムを中心に営まれる経済において、政府の公共政策が果たすべき役割と意義、ならびにその機能を、厚生経済学、公共経済学、および総合政策論の理論的基礎に立って、体系的な理解を得ることを目的とする。まず、市場が有効に機能する場合には、政府の市場への介入は、非効率性を招くことを説明する。具体的には、財に対する個別物品税の課税や、政府からの財の供給に対する補助金政策、家賃などに対する上限規制、最低賃金規制などの価格の下限規制、事業者に対する参入規制は、いずれも政府の介入のない自由な競争市場での資源配分と比較して非効率性をもたらすことを、余剰分析を用いて説明を行う。次に、政府が保護貿易政策を採用した場合の非効率性について解説する。さらに、自然独占と呼ばれる産業に対する政府の規制政策について説明を行う。こうした産業は、政府の規制がなければ非効率性を免れないもので、公益事業と呼ばれてきた産業である。公益事業分野に於けるさまざまな規制政策について論じ、また近年の規制緩和の流れや公営事業の民営化政策についても触れたい。
 この授業は経済学部のディプロマ・ポリシー【知識・技能】のうち「経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識を持つことができる」こと、ならびに「経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなすことができる」ことを目的とする。



【学習到達目標】

以下の事柄について正しく理解する。
①政府による公益事業規制の経済的意義
②公的規制のミクロ経済学的分析方法の基礎
③効率性・非効率性の図式的な把握
④市場の失敗に対する政府の是正策の効果の図式的な表現



履修上の注意

・講義は1年次のミクロ経済学入門の授業内容の理解を前提とする。
・新型コロナウイルス感染予防のため、授業はオンライン方式で行う。CCSの教材ボックスに毎回の授業の該当箇所について、パワーポイントのスライド資料をアップし、同時に教材の内容に関する課題問題を出題する。
・受講者が課題問題に解答することで、授業に出席したものと見なす。
・この課題問題の出題と合わせて、毎回の授業内容に関する4択問題を出題し、解答をCCSのミニッツペーパーで解答していただく。
・期末試験は教室での対面で実施する予定である。
・ただし、愛知県内の感染状況の変化によって、授業の実施方法や試験の実施方法が変化することもありうる。



【事前準備学習】

・ミクロ経済学入門で学習した授業内容を、十分マスターしておくこと。
・特に需要曲線や供給曲線、消費者余剰や生産者余剰、社会的余剰などの概念を図式的に正しく理解する。
・授業内容に関する課題問題と、ミニッツペーパーの4択問題の解答を、決められた期限までにCCSの Minute Paper に提出する。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書教科書は使用しない。
参考書『経済政策論 日本と世界が直面する諸課題』 瀧澤 弘和/小澤 太郎/塚原 康博/中川 雅之/前田 章/山下 一仁 慶應義塾大学出版会 2016
『ゼミナール現代経済入門』 伊藤 元重 日本経済新聞出版社 2011
『ゼミナール経済政策入門』 岩田 規久男/飯田 泰之 日本経済新聞出版社 2006
指定図書一覧

評価方法

期末試験                                         70%
平常点(授業態度、受業時の出題問題への解答、課題の提出を評価)   30%



【講義テーマ】

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1プロローグ: 授業予定、講義方針の説明 他
2競争市場と税・補助金政策
3価格の上限規制の非効率性: 家賃規制
4価格の下限規制の非効率性: 最低賃金規制
5保護貿易政策の評価
6市場の失敗と産業政策
7自然独占と規制: 自然独占とは
8限界費用価格規制と平均費用価格規制
9パレート効率性の条件
10外部性が存在する場合の市場の失敗
11内部非効率問題とインセンティブ規制
12公益事業の規制緩和と民営化
13外部性と市場の失敗
14権利配分とコースの定理
15授業の総括及び講義内容の復習
16定期試験期間