【講義概要】
この講義の目的は、受講生諸君に簿記とはどのようなものであるかという基礎的な知識および技法を身に付けてもらうことにある。
現代社会では、個人・会社・公益法人・NPO法人などが経済活動を行っているが、その活動内容を把握し、報告し、より優れた活動方針を決定するときには、会計報告が必要不可欠である。また、国民の義務である適切な納税も会計報告をもとに決定される。さらに、最近よく「ITにより企業競争を勝ち抜く」という表現がみられるが、これは「会計情報をすばやく有効に利用し、戦略を立て、企業活動を行う」、と言う意味で使用されている。また銀行が、企業に融資するかを決定するときも会計報告は重要な判断材料である。
このように私たちの生活は会計と切り離すことはできない。ただ、諸君の中には会計を専門的に学習するのではなく、経営、情報などを学習する人も少なくない。そこで、会計学を学ぶための入門としてまず、会計報告書を作成する手続である「簿記」について学習する。
【学習到達目標】
簿記・会計について、基本的処理・事項を理解することである。
【履修上の注意】
3分の1を超えて授業を欠席する者は失格とします(→次年度再履修)。
正当な事由による欠席と思われるものは「欠席届」を提出すること。
下記の【講義テーマ】は予定であり、変更することがあります。
【事前準備学習】
とくにありません。簿記そのものは数学ではありません。加減乗除程度の計算しかありません。それも計算機使用可です。人がまさに人為的に作ったルールに基づき、また人為的に分類したいくつかの要素を、一定の目的のために計算するものです。
テキストと計算器を毎回必ず持参して下さい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『検定簿記講義 3級商業簿記』 渡部・片山・北村 中央経済社 平成31年 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | 『帳簿の世界史 (文春文庫:[S-22-1])』 ジェイコブ・ソール著/村井章子訳 文藝春秋 2018.4 |
【評価方法】
試験および授業への取り組みの姿勢(授業中の態度等)を総合的に評価する。
私語や規定時間以上の遅刻・途中退席等、授業態度不良者とみなした場合は失格とすることもある。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 会計の意義・目的・種類 | |
2 | 資産・負債・資本・費用・収益 | |
3 | 貸借対照表の意義と構造 | |
4 | 損益計算書の意義と構造 | |
5 | 会計上の取引 | |
6 | 勘定・仕訳・元帳転記 | |
7 | 簿記一巡と試算表 | |
8 | 現金・預金取引 | |
9 | 現金出納帳・当座預金出納帳 | |
10 | 商品売買取引(1)分記法・総記法 | |
11 | 商品売買取引(2)三分法 | |
12 | 商品売買取引(3)仕入帳・売上帳・商品有高帳 | |
13 | 売掛金・買掛金、売掛金元帳・買掛金元帳 | |
14 | 貸倒の処理 | |
15 | その他の債権・債務 | |
16 | 定期試験期間 | |