【講義概要】
現代社会を支えている科学技術はどのように形成され、人間文化を担ってきたのだろうか。そもそも科学的な思考法はいつ、誰が、どのように「発見」し、どういう歴史をたどって現在に至ったのだろうか。「科学的」と私たちが呼んでいることの内実はいったい何なのだろうか。21世紀に生きる私たちは科学と技術を最大限に活用しつつ文明を謳歌しているように見える。しかし私たちをとりまく自然環境は地球規模の危機を招きつつあり、同時に私たちの精神を支えるべき社会的環境においても大きなひずみを生じさせている。
このような現在の状況を背景に私たちが現代文明社会でいき続けるために、私たち自身はもっと科学的な社会状況を自覚し、真に科学的な生活指針を持たなければならない。そのことを成就する前提として、科学の成り立ちを追及し、科学が明示的に展開してきた「宇宙」「物質」「生命」「生物」そして「人間」について、それぞれの概念、定義、本質を捉えて科学のあり方を論じてみたい。もうひとつ、科学の視点から「宗教」や「神秘」の話題にも言及したい。
【学習到達目標】
すべての分野の学習は「科学的」という前提で展開されている。その「科学的」であるということの意味を理解できるだけの素地を形成することを目標と知る。
【履修上の注意】
授業に出席することは学習の前提であり、何回まで休んでよいのかなどということを気にする学生にはそもそも受講資格などない。また授業ごとに明示される課題を確実にクリアし、最終試験に合格したものに単位を与える。
【事前準備学習】
あらかじめ与えられた指示に従って事前学習を行うこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | プリントを活用する。 |
参考書 | 授業の進行に応じて適宜指示する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
小テスト、授業のコメントなど授業時の評価(50%)と最終試験(50%)の合計で総合評価を行う。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 科学に振り回される現代社会 | |
2 | そもそも科学とは何だろう | |
3 | 科学の始まり(歴史的理解) | |
4 | アリストテレスと科学 | |
5 | 生命の階層的理解 | |
6 | 知識と科学、そしてプリニウスの時代 | |
7 | キリスト教と科学の相克 | |
8 | ルネサンスは科学復権の時代だ | |
9 | 近代科学の始まり | |
10 | 微小の世界と極大の世界 | |
11 | 自然の秩序と体系 | |
12 | 進化という観念 | |
13 | ダーウィン進化論を考える | |
14 | 生命操作の時代 | |
15 | 宇宙・物質・生命・ヒト(科学はどこへ行くのか) | |
16 | 定期試験期間 | |