【講義概要】
この講義は「統計学入門」の知識をベースに、現在、社会で幅広く利用されている①「クロス分析」、②「平均値の差の検定」、③「回帰分析」のスキルの習得を目指します。
企業や公的機関では、消費者や住民の様々な属性の特徴を”正確に”捉え、ビジネス戦略や政策を考案しなければなりません。その際、統計データを用いたり、アンケートを実施して様々なデータを入手し、平均値や比率等を比較します。但し、統計学の知識を知らなければ、平均値や比率等の数値の違いがサンプル数から生じる誤差で発生したものか否かを判断することができません。本講義では、まず前半で、平均値や比率の比較を行う際、その比較が統計的に意味のある差か否かを判断できる①「クロス分析」と②「平均値の差の検定」を学習し、適切なビジネス戦略や政策の判断ができるようになることを目指します。
そして、本講義の後半では、現在社会で最も利用度が高い③「回帰分析」を学習します。「統計学入門」では相関関係を学習しましたが、相関関係では単純に2変数に関係があるかどうかしか判断することができませんでした。本講義では次のステップとして、関係の方向性を考えた検証を行います。
なお、この授業は、経済学部のディプロマ・ポリシー【知識・技能】の「経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなすことができる」、及び、「経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識を持つことができる」を主な目的としています。
【学習到達目標】
店舗の進出候補のエリアの特徴や消費者の属性・意識の特徴の把握など、我々は経済活動や社会活動において、様々な集団(集合)の特徴やそれらの相互関係について正確に捉える必要があります。講義では様々な統計手法を学び、各種の問題設定に対し、統計的根拠の裏付けに基づき、科学的な解釈や判断ができることを目標とします。
【履修上の注意】
「統計学入門」の単位(レベルとしてはA以上)が付与されていることが前提です。また、この講義は、各回の講義の積み重ねとなるため、欠席をした場合、講義の理解が著しく難しくなることに注意して下さい(公欠に該当する欠席の場合は後日フォローアップは行います)。
【事前準備学習】
「統計学入門」の内容を復習しておいて下さい(特に、分布(正規分布等)と相関関係の理解は必須です)。
なお、本講義はエクセルを用いた講義です。エクセルの基本操作(シート上での計算、グラフの作成、関数の挿入)ができるかどうか確認して下さい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特になし |
参考書 | 講義内で提示する |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
授業内で実施する各回の理解度確認テスト(80点満点)、及び期末レポート(20点満点)の総合得点60点以上で単位を付与する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 履修ガイダンスと統計学入門の復習 | |
2 | クロス分析① クロス表の見方・作成、及びカイ2乗統計量の理解 | |
3 | クロス分析② 調整済み残差の理解 | |
4 | クロス分析③ 総合理解の確認 | |
5 | 平均値の差の検定① パラメトリック分析の理解(t-検定) | |
6 | 平均値の差の検定② ノンパラメトリック分析の理解(2変量の比較の場合) | |
7 | 平均値の差の検定③ ノンパラメトリック分析の理解(2変量以上の比較の場合) | |
8 | 平均値の差の検定④ 総合理解の確認 | |
9 | 単回帰分析① 回帰分析の概念と回帰式の作成 | |
10 | 単回帰分析② 回帰式の評価 | |
11 | 単回帰分析③ 総合理解の確認と実践演習 | |
12 | 重回帰分析① 重回帰の理解と回帰式の評価 | |
13 | 重回帰分析② 重回帰分析の応用(ダミー変数の作成) | |
14 | 重回帰分析③ 回帰分析の結果の表現方法(レポートのまとめ方) | |
15 | 重回帰分析④ 総合理解の確認と実践演習 | |
16 | 定期試験期間 | |