【講義概要】
世界の総人口が増大するトレンドが続く限り,必然的にエネルギーや資源,食糧等の需要が高まる。しかし,それらの供給がスムーズに実現するかどうかは別の問題である。世界の人々が,「普通に」生活できる環境を作るには,どのような取り組みが必要なのだろうか。
別の表現で言えば,経済活動のグローバル化が進展する現在でも,常に問題とされていることは,経済格差・貧困である。それを引き起こした背景には,政治や経済を含む,社会的構造が抱える幾つもの問題がある。これらの課題に対して,どのような方策が必要か,何ができるのかを考えることが求められている。
本講義では,「開発」というキーワードから見えてくる現状を理解し,将来的な「在り方」を考察するための諸情報を提供して,受講生自ら考えることを促したい。基本的には,アジア地域をベースにして,「近代化」の名の下に進められた「開発」の理論をはじめ,歴史的背景や,現状と課題を概観する。これらの学習を通して「社会を洞察するための論理的思考力をつけ,因果関係の把握ができる」ようにすることが目的となる。その上で,日本のみならず国際的な視野を持つことで「経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識を持てる」きっかけを作りたい。
【学習到達目標】
・「開発」の経済的意味を理解すること
・先進国と途上国の違いを理解すること
・経済学的に発展・成長の論理的展開を把握すること
【履修上の注意】
1回目の授業時に,履修にあたってのガイダンスを行いますので必ず出席して下さい。
シラバスの内容は,前後する場合,変更する場合もありますが,その都度アナウンスしますので,御了承下さい。
【事前準備学習】
(事前)
世界地図でアジア地域の位置を確認し,各国の地理的・気候的特徴を把握しておくこと
経済格差についての理論,現状の認識を各自で深めておくこと
(事後)
毎週,授業後にminute paperによる課題を行うこと(初回は除く)
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特に無し。 |
参考書 | 適宜授業時に紹介する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点(授業への取り組み,課題への取り組み)40%
定期試験60%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 授業ガイダンス&開発経済学とは何か? | |
2 | 経済発展の意味 | |
3 | 農工業の発展プロセス | |
4 | 人的資源の開発 | |
5 | 開発戦略 | |
6 | 金融政策と財政政策 | |
7 | 経済成長とは何か | |
8 | 開発の功罪 | |
9 | アジアの経済発展 | |
10 | 後発性の利益 | |
11 | 中所得国の罠 | |
12 | 人口転換と社会変化1 人口ボーナス | |
13 | 人口転換と社会変化2 人口オーナス | |
14 | 貧困と経済的不平等 | |
15 | アジアの開発主義 | |
16 | 定期試験期間 | |