【講義概要】
テキストに書いてあるように
強烈な列強による外圧を前に倒幕を果たした維新の志士と、開国による欧米諸国の大工業製品の破壊的な作用という荒波を乗り越えて、産業の近代化、資本制的な生産方式に歩みだした豪商農を支えたものは、澎湃とした「独立の精神」だった。1853年の黒船来航から西南戦争までの過程で形作られていく近代国家の揺籃期について取り上げる。その時代は新しい国のかたちを模索した激動の時代であり、「軍国設計」の中、政治や社会、そして経済・産業が近代的に作り上げられていく過程であった。
組織的ではあるが、全体が見えにくい現代日本社会の原型を歴史的にさかのぼれば、皆さんの知っている吉田松陰や高杉晋作、そして坂本龍馬などの「先見的な下士層」と彼らによって、徹底的に、巧妙に、指導され、組織され、動員され、依拠された幕末の士農工商の人々との「同盟」によって、作り上げられた明治国家に求めることができる。
いずれにしても、激動の時代があぶりだした、近代日本の形成であった。
以上について、わかりやすくとりあげたい。
【学習到達目標】
明治維新とは何か、について、江戸幕府から、明治政府にかわったことの政治経済社会の「激変」のなか、「脱亜入欧」戦略の採用されたことの意味について理解すること。
【履修上の注意】
基本的には、テキストに沿って、講義をすすめるので、各種の手段で購入してもらいたい。
【事前準備学習】
テキストが決まっているので、シラバスに沿って、事前に該当範囲のページを読んで、講義に出てもらいたい。
講義中に小テストなどを実施する予定なので、小テスト問題をテキストの対応ページなどと突き合わせて「復習・確認」をすることで、理解を深めてもらいたい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『明治維新史 講談社学術文庫』 石井寛治 講談社 2018 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | 『日本の産業革命 (講談社学術文庫:[2147])』 石井寛治著 講談社 2012.12 『日本経済史 : 近世-現代』 杉山伸也著 岩波書店 2012.5 |
【評価方法】
毎回の小テント、中間試験、そして期末試験の結果を勘案して、成績評価をします。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 明治維新とは 世界市場と維新変革から考える(世界史の段階) | |
2 | ペリー来航の歴史的意味 | |
3 | 幕府の対応 開国と開港 | |
4 | 幕末貿易の特徴と政治的変動 | |
5 | 尊王攘夷運動 | |
6 | 倒幕派の出現 | |
7 | フランス依存の幕府戦略へ | |
8 | 戊辰戦争の敗者と勝者 | |
9 | 薩長藩閥官僚の出現と明治国家 | |
10 | 留守政府の改革と明治六年の政変 | |
11 | 大久保政権と殖産興業 | |
12 | 対外軍事発動と松方財政 | |
13 | 政商から財閥へ 日本資本主義の担い手 | |
14 | 日清戦争への道 | |
15 | 日露戦争への道 | |
16 | 定期試験期間 | |