【講義概要】
わたしたちは様々な公共サービスの恩恵を受けて生活しています.たとえば,多くの学生は地下鉄・バス・JRあるいは名鉄を利用して大学に通っています.これらのサービスを利用するときにはみなさんはその対価として料金の支払いをしています.このような対価の支払いを必要とするサービスとは異なり,多くの無償のサービスがわたしたちには提供されています.自衛隊,警察や消防などはその代表的なものです.またそれらを運営する国や地方自治体が提供するさまざまなサービスについて,書類発行等の手数料がかかることはありますが,サービスへの対価の支払いはおこなわれません.これはそのサービスの遂行に必要な資金が税金で賄われるからです.提供されるサービスの内容が決まり,ついでそのために必要な資金額が決まり,最後にその資金の調達方法が決まります.その資金は税金と公債発行で賄われます.その税金のうち多くを占めるのが所得税,法人税と消費税です.
本講義では重要な資金調達源泉である所得税がどのような仕組みで成り立ち,また税が単に資金を集めるためだけでなく他の目的も達成するためにも機能していることを学びます.どうして所得に課税するのか?どうしてさまざまな所得分類があるのか?といったところから始めて,基本的な所得税額の算定の仕組みを理解します.
経済学のディプロマ・ポリシーとの関係では,「経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識」を涵養し,それらを日本企業のビジネス環境に投影し,「政治・法律分野とのつながりを理解」し,企業・ビジネス環境・会社法制の一体的な理解を身に着けることを目標とする.またカリキュラム・ポリシーとの関係では,基幹科目で習得した知識・スキルをベースに他の関係科目との総合化を重視し,たんに法律的知識だけなくそれらと企業実務とを結びつけることとなる.
【学習到達目標】
所得税法の意義と目的,税制における位置づけ,ならびに所得税の算定プロセスを把握します.そしてさまざまな規定の存在理由を考える足掛かりとなる基礎的知識の修得です.
【履修上の注意】
授業時間内に,内容の理解度を確認するための小テストまたはレポートを課す場合があります.
【事前準備学習】
教科書の指定はしていませんが,所得税法に関する多くの教科書がレベルに応じて出版されています.講義のテーマに応じてそれらを手に取り,授業後に確認することが望ましい.また,日常的に税制改正や各種団体の税制要望に関するニュース等に意識して触れることが重要です.
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
試験80% 平常点20%(小テスト・レポートを含む)
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 1: 所得税法の概要 | |
2 | 2: 所得税の意義と所得の帰属 | |
3 | 3: 所得の種類 | |
4 | 4: 給与所得と事業所得 | |
5 | 5: 配当所得と不動産所得 | |
6 | 6: 退職所得,一時所得,雑所得 | |
7 | 7: 譲渡所得,山林所得 | |
8 | 8: 所得税,相続税,贈与税 | |
9 | 9: 総合課税と分離課税 | |
10 | 10: 純損失の取り扱い | |
11 | 11: 所得控除 | |
12 | 12: 対象者が限定される所得控除 | |
13 | 13: 所得税額の計算 | |
14 | 14: 税額控除 | |
15 | 15: 申告・納付・追徴等 | |
16 | 16: 定期試験期間 | |