【講義概要】
職業指導は、就職指導・進路指導・キャリア教育と同義と考えられることもあるが、職業安定法(昭和22年法律第141号)第4条第4項における定義によれば、「職業指導」とは、職業に就こうとする者に対し、実習、講習、指示、助言、情報の提供その他の方法により、その者の能力に適合する職業の選択を容易にさせ、及びその職業に対する適応性を増大させるために行う指導をいう、とされている。わが国では、一般的にこの定義が広く用いられている。
一方、人間にとって職業が重要であることをふまえて、職業に就くことを志し、職業を見つけて、必要な訓練を経て、職業に適応していくという個人の一連の過程全体を支援することが職業指導だと考えられることもある。
いずれにせよ、職業指導とは「職に就こうとするものに対しておこなう必要な指導」と捉えることができる。
そこで本講義では、こうした指導のおこなえる人材に必要な知識・技能などを学ぶこととする。
【学習到達目標】
職業指導の目的は「進学先の選定」や「就職先の紹介・斡旋」を主にした指導から、「生き方指導」としてのキャリア教育に大きく変わりつつある。そこで本講義ではこれまでの職業指導を振り返るとともに、現在および将来の職業指導に必要な基礎的知識や技能などについて講義し、職業指導をおこなう者の資質の向上を目標とする。
【履修上の注意】
特に教員免許を取得しようとする者にとっては必ず取得しなければならない科目である。予習やレポート、発表やフリーディスカッションを前提に講義を進め、課題や受講状況を厳密に成績に反映する。
【事前準備学習】
毎週予習課題を出す。予習してきたことを前提に講義は報告・発表・討論形式で進める。講義後の課題レポートは頻繁に出すが、未提出者は単位認定しない。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『アルバイトから学ぶ仕事入門』 佐野薫 他 中央経済社 2019 上記参照。必要に応じて資料を配付する。 |
参考書 | 『新時代のキャリア教育と職業指導』 佐藤史人 他 法律文化社 2019 講義中に適宜指示する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点(職業指導に関する知識確認テスト、予習課題、課題レポート、プレゼンテーション、ロールプレイリングなど)と必要に応じて定期試験の成績
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション---講義内容の理解--- | |
2 | 就職の意義---人はなぜ働くのか--- | |
3 | 戦前の職業指導 | |
4 | 戦後の職業指導 | |
5 | 現在の職業指導 | |
6 | 社会の経済動向 | |
7 | 世界と日本の経済動向 | |
8 | 産業構造の変化 | |
9 | 就業構造の変化と人材の流動化 | |
10 | 職業選択---就業感と職業選択--- | |
11 | 就職選択と適正評価 | |
12 | 就職活動の実態 | |
13 | 職業選択---フリーター・ニート問題--- | |
14 | 非正規労働者の課題と今後の対応 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験 | |