【講義概要】
大学での学び(特に経済学部)の中で、是非みなさんに身につけてもらいたいことは、客観的な事実(多くはデータ)をもとにして現状を把握し、そこに問題があるならそれに対する原因や解決策について論理的な仮説を立て、その仮説が妥当なのかを多くの人が納得するやり方(統計分析など)で検証するという、一連の科学的な分析能力です。この能力は社会に出てから基本となるもので、どんな局面においても(例えば、営業をする上でも)、この能力に長けているかどうかで大きな差が出てきます。この授業では、この一連の分析力をつけるための訓練に重点をおきます。
分析する対象は何だって構いませんが、ここでは都道府県・市町村データを用いた地域間格差を題材にする予定です(題材は変わる可能性がありますので、その点を留意しておいてください)。皆さんは与えられた事実やデータから、自分自身でグラフを作成したり、統計分析をおこなったりして、そのデータから何らかの特徴を見い出し(現状把握)、それに対して何が問題か見つかったならば(課題発見)、その原因となるものは何か(原因究明)、そして有力な原因を洗い出せたなら、それを解決する方法は何か(課題解決)、といった流れで作業、分析、立案を進めていきます。もちろん、分析する手法などといったスキルは授業の中で解説を加えていくので心配はいりません。
【学習到達目標】
① 論理的な思考力を高めることができる。
② エクセルを使った基本的な統計分析ができるようになる。
③ グラフを作成し、そこから何かを読み取る力を高めることができる。
④ 科学的な分析能力を高めることができる。
【履修上の注意】
概要に書いたように授業の性質上、グラフを作成したり、エクセルを使用した統計分析をおこなったりするため、パソコンを持ってきてもらうことが多くあります(基本的には持ってくると考えておいてください)。その都度、指示をしますので従うようにしてください。授業を欠席した人は、必ずCCSで次週にパソコンが必要かどうかの指示を確認するようにしてください。また、授業内で出てきた発見や課題を、皆さんと一緒に議論したいので、関心のある方、意欲のある方の履修を歓迎します。楽しく、そして真剣に学びましょう!
【事前準備学習】
事前にすべき準備は必要ありません。元気に毎回の授業に望んでくれるのが一番です。ただ、課題を出すことがありますのでしっかりと取り組んできてください。皆さんが取り組んだ課題はしっかりと評価します。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書はありません。 |
参考書 | 必要に応じて随時紹介します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
授業への参加度(平常点)、課題の提出、最終のレポートを総合して評価をします。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション 論理的思考の基本 | |
2 | データの取得と加工の仕方 | |
3 | グラフの作成及び現状把握 | |
4 | 散布図と近似曲線を使った現状把握・課題発見 | |
5 | 相関分析 | |
6 | 単回帰分析 | |
7 | 重回帰分析 | |
8 | 平均差の検定による比較 | |
9 | 簡単な将来推計方法 | |
10 | 中間レポートの整理・提出 | |
11 | 地域間格差モデルの設定 | |
12 | 地域格差の原因の探索 | |
13 | 地域格差の問題解決への処方箋の考案 | |
14 | 内容の掘り下げ作業及び最終レポートの仕上げ | |
15 | 最終レポート提出及び授業の総括 | |
16 | 定期試験期間 | |