【講義概要】
皆さんの生活を思い返してみて下さい。皆さんが通っていた小中学校…義務教育の一環として,多くの方が市町村立の小中学校に通っていたことでしょう。何気なく通行している市町村道…生活基盤として不可欠なものであり,その維持・整備があって初めてスムーズに機能するものです。私たちの日常生活の中で発生する「ごみ」…このごみ収集・処理を行っているのも,主として市町村です。
私たちの生活のほんの一部をとってみても,国民生活に密接に関連する行政の大部分が地方公共団体の手で実施されています。地方財政は国の財政と並んで、極めて重要な地位を占めています。近年,日本では地方分権に向けての改革が行われており,地方財政そのもののあり方も大きく変化しつつあります。
本講義では,地方財政の現状を概観するとともに,地方財政制度や地方分権にまつわる議論を学び,地方財政に関わる諸問題を考えるための基礎理論の習得を目指します。なお,日本では,各地方自治体により財政状況がかなり異なり、その財政力にも差があります。したがって,地方財政をみる場合には、全体の指標ばかりではなく、個々の地方自治体ごとの財政状況もみる必要があります。本講義では,受講生が地方財政に関わる現実的な問題を意識しやすいよう,適宜データを用いながら講義を進めていきます。
大学ディプロマポリシーのうち、特に「人間、社会、文化、自然等に関する幅広い知識を身に付けている。」および「 専攻する学位分野における基本的知識を体系的に身に付けている。」に関連する科目です。
経済学部ディプロマポリシーのうち、「経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識を持つことができる。」や「経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなすことができる。」のほか、「経済社会の現実における課題を自ら発見し、経済学を基盤とした知識を実際の経済社会へ応用することができる。」について関連する科目です。
【学習到達目標】
(1)地方財政の現状を理解する。
(2)地方財政に関する基礎理論を習得する。
(3)地方財政の現実的な諸問題を自分自身で論理的に考えることができるようになる。
【履修上の注意】
6回目の欠席で失格となるので注意すること。
【事前準備学習】
常日頃から,身近な地方財政問題に関心を持つこと。
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 適宜紹介します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
①期末テスト:80%
②確認テスト(講義中に不定期に実施):20%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 地方財政論 | |
2 | 地方自治の統治構造 | |
3 | 財政の機能と地方財政 | |
4 | 政府間財政関係 | |
5 | 地方税の体系とそのあり方 | |
6 | 地方交付税の考え方と総額決定 | |
7 | 地方交付税の算定 | |
8 | 地方交付税の制度運営と地方自治体の予算編成 | |
9 | 国庫支出金とその運用 | |
10 | 地方債の起債制限とその運用 | |
11 | 地方自治体の予算・決算 | |
12 | 自治体財政健全化法 | |
13 | 地方公会計改革 | |
14 | 地方分権改革 | |
15 | 地方財政制度のあり方 | |
16 | 定期試験期間 | |