【講義概要】
本講義では、「減災福祉まちづくり」をテーマに学習します。
現代の日本社会を表現することばのひとつに、「ポスト3.11」という言い方があります。予想をはるかに超えるできごとにぶつかり、日本社会は経済的・社会的対処するなかで、わたしたちは何を信頼すべきか、どのように行動すべきか、いかに合意を形成し意思決定できるかを改めて問われました。大災害は直接被災者に大きな影響を与えるだけでなく、さまざまな形で日本社会やわたしたちの個人的な生活に影響を与えます。このため、わたしたちはこれまでに発生した災害の経験から真摯に学ぶ必要があります。
同時に、予測の困難な災害がいつどこで起こっても不思議ではない社会に、わたしたちは生きています。いうなれば「災害前の社会」です。つまりわたしたちは、近々起こりうる災害への備えをおこなわなければならないのです。
そこで講義では、まず災害と社会の関係、そして災害の影響を減少させるための挑戦である「減災」の考え方を学びます。次いで社会制度と個人の関係について学び、よりよい地域社会の構築に参加できる人材になるため、まちづくりの概念と手法を学びます。本講義の目的は、これらを統合した知の体系である「減災福祉まちづくり」の概要を理解し、現実の社会で活躍できる人材としての基礎を養うことです。
【学習到達目標】
本講義の目標は、以下のとおりです。
1. 社会的な事象としての「災害」を理解する
2. 「減災」という考え方を理解する
3. 支援について概要を理解する
4. 支援とまちづくりの方法について、概要を理解する
【履修上の注意】
非常に身近なテーマであり、他人事ではなく自分のこととしてとらえ、発災時にどう行動するか常日頃考えていることが重要です。そのためには、住んでいるところ、通学ルート、大学及びその界隈がどういう状況になっているのか、情報を持っていてください。
専門用語が授業中に出てきますので、不明の言葉の意味を調べるなどして、理解を深めておいてください。
※本講義では、災害時や被災地の写真、映像などを用いることがあります。
※受講生全員の学習機会を守るため、担当者講義中の私語は禁止します。
【事前準備学習】
参考書を読み、理解しておくこと、地域のできごと、社会の動きに気を配っておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 講義レジュメを配布します。 |
参考書 | 『災害福祉とは何か』 西尾裕吾ほか ミネルヴァ書房 2010 『防災の社会学―防災コミュニティの社会設計に向けて』 吉原直樹編 東信堂 2012 『人はなぜ逃げおくれるのか』 広瀬弘忠 集英社新書 2004 『復興と支援の災害心理学』 藤森立男・ 矢守克也編著 福村出版 2012 講義中、適宜参考文献を紹介します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
各回のコメントペーパーあるいは小テスト(30%)、期末試験(70%)を目安に、総合的に評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 1: イントロダクション | |
2 | 2: 災害史から学ぶ | |
3 | 3:災害時に起こること➀:地震編 | |
4 | 4:災害時に起こること➁:水害編 | |
5 | 5:名古屋の被害想定ー南海トラフ地震ー | |
6 | 6:人はなぜ逃げないのか | |
7 | 7: 社会福祉とはなにか | |
8 | 8: 減災と福祉 | |
9 | 9: 要配慮者への支援 | |
10 | 10: 地域における共助の力 | |
11 | 11:災害ボランティア活動とその役割 | |
12 | 12:まちづくりとはなにか | |
13 | 13:減災とまちづくり | |
14 | 14: 事例から学ぶ減災福祉まちづくり | |
15 | 15: まとめ | |
16 | 16: 定期試験期間 | |