【講義概要】
流通政策は今、大きな転換期を迎えている。従来、流通政策の中心的、象徴的な存在であった大店法は廃止され、新たなまちづくり3法が制定され施行されている。一方で経済のグローバル化の進展に伴い、いっそうの競争秩序を維持しようとする政策が求められている。この講義では、現代における流通に対する公共政策の理論と展開を主として実際の流通の姿をもとに展開する。流通を対象とする公共政策である流通政策には、競争政策,調整政策,振興政策があるが、流通政策の体系的理解をはかるため基本的政策領域に絞って展開すすめる。流通政策の転換が示すように日米構造協議を契機としてわが国の流通政策は規制強化から制度の廃止や規制緩和という抜本的改革が進行している。政策転換に至った時代背景、その流れを概観するとともに、その流れの根本にある思潮を探っていく。まず最初に流通政策の対象となる流通問題の基本的な潮流をあきらかにし、流通政策の体系や目的の理解をはかり、わが国の流通政策の展開を具体的法制度の歴史的検討〈成立の背景、法の内容、問題点、方向性)を通して明らかにする。
【学習到達目標】
流通がどのような活動であるのかを理解し、基本的な現実の流通における問題点を探り、それらの問題点をどのように解決していくべきか主体的に考え、流通問題に関するテーマの理解を深めてもらうことを目標とする。
【履修上の注意】
教室内の基本的マナー(脱帽、携帯の電源切っておく、私語の禁止、ゴミを散らさないこと等)を厳守すること。守らない者は履修を取り消すので注意。配布資料は当該講義の中でしか配布しない。体系的理解が求められるので欠席のないように注意してください。
【事前準備学習】
テーマについて、実際どのような現象が起こっているのかについて主体的に情報収集をおこなっておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書は指定しない。教材はすべてプリント〔講義のなかでしか配布しない)して配布する。 |
参考書 | 授業中、適宜紹介する。 |
指定図書 | 『新取引制度の構築 : 流通と営業の革新』 根本重之著 白桃書房 2004.1 『中心市街地活性化三法改正とまちづくり』 矢作弘, 瀬田史彦編 学芸出版社 2006.9 『流通系列化と独占禁止法 : 化粧品業界を手掛かりとして』 藤澤憲著 白桃書房 2007.4 |
【評価方法】
小テスト〔毎回授業内容理解確認)15点および中間テスト(レポート)10点、定期試験75点、 その他に質問や発言、積極的受講態度はプラスして評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション | |
2 | 戦前の小売商問題 中央卸売市場法 | |
3 | 戦時統制下の商業 小売業の戦後復興 | |
4 | 独占禁止法の成立 | |
5 | 第二次百貨店法 小売商業調整特別措置法 | |
6 | 高度経済成長と流通革命 | |
7 | 流通系列化とマーケティング | |
8 | 再販売価格維持制度 | |
9 | 日本的取引慣行 不公正な取引方法 | |
10 | まちづくり3法の成立 | |
11 | 欧米における大規模小売商業施設の開発・出店規制 | |
12 | まちづくり3法改正 | |
13 | 政策窓モデル | |
14 | 中小商業政策の転換 | |
15 | 景品表示法 消費者保護行政 | |
16 | 定期試験期間 | |