【講義概要】
流通は、私たちの生活にとってきわめて身近な存在です。ほとんどの人たちは小売業と接した経験を有しているはずです。しかし、それだけ存在が身近だといっても、流通のことを十分に理解できるわけではありません。通常、流通とはメーカーが生産した製品が、私たち消費者によって消費されるまでのすべての過程を指します。したがって私たちが普段接している小売業は流通の一部分にすぎません。つまり、流通を理解するにはその全体にまで視野を広げることが必要になります。そこで講義ではその理解のために大きく前半と後半にわけて議論します。前半は社会における流通の役割など基礎的な内容について議論します。後半はそれを踏まえた事例など、より具体的な議論をします。
※COC地域志向科目
【学習到達目標】
社会における流通の基本的な役割や性質を理解する。
具体的な事例をとおして、商業だけでなくメーカーとの関係やその変化などより広い視点をもつ。
「まちづくり」など、従来の枠組みでは捉えられない新たな課題についての視点をもつ。
あらためて「当たり前」を問う視点をもつ。
【履修上の注意】
欠席した場合の情報収集は自身の責任において行うこと。
自身の買い物行動や店頭のあり方など日々の流通現場においてどのような変化があるか意識して疑問を感じること。
【事前準備学習】
テキストを読んでおくこと。
日ごろの買い物などで身近な商品などがどのようにして、流通されているのかということに考えを巡らせる習慣をもつことが大事。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『1からの流通システム』 崔相鐵・岸本徹也 編 碩学舎 2018 |
参考書 | 『流通論をつかむ』 渡辺達朗・原頼利・遠藤明子・田村晃二 有斐閣 2008 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
試験 80% 発言など授業貢献 20%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション-流通システムで何を学ぶか | |
2 | 流通・商業のはたらき | |
3 | 商業の存立根拠:商業の社会性 | |
4 | 商業の存立根拠:流通費用の視点から | |
5 | 商業の存立根拠:複数存在について | |
6 | 小売商業の構造:流通費用と商品分類 | |
7 | 日本の小売商業の構造 | |
8 | 日本の小売商業の構造変化:愛知県を事例として | |
9 | 日本の中小小売業と商業集積:名古屋市を事例として | |
10 | 小売業態の基礎理論 | |
11 | 日本における小売業態の発展 | |
12 | 卸売商業の構造 | |
13 | 卸売商業の機能 | |
14 | 情報化の進展と流通システム:情報化の浸透 | |
15 | 情報化の進展と流通システム:流通への影響 | |
16 | 定期試験期間 | |