【講義概要】
保守主義とは何か、日本における保守主義はいかにして可能か
この講義のテーマは「保守主義とは何か、日本における保守主義はいかにして可能か」とする。まず、政治学とはなにかを解説しよう。政治学は国家の本質・目的・手段に関する学問とすると、それでは国家とは何か、国家の特徴は、政府や社会という概念とどう共通し、どう違うのか、国家は団体か有機体か、などが問題となる。そして保守主義とは何か、保守主義はどういう条件の下で成り立つかを考えてみよう。
その上で、日本的保守主義は可能かどうかを検討してみよう。日本の保守主義は伝統性と普遍性の二つの条件を満たしたときに初めて成立すると思うが、いったい日本とは何か、日本の伝統とは何かを考えた上で、それを普遍化することができるかどうかについて述べてみようと思う。
【学習到達目標】
日本精神についてはとかく誤解が多いので、その本質についてよく認識理解するとともに、伝統と欧化を巡って日本はいかなる保守主義を目指せば普遍的文明に貢献できるかを考えてみる。
【履修上の注意】
授業は静粛・真剣に聴くこと。私語・遅刻・早退は厳禁。
【事前準備学習】
参考文献には一応目を通しておいてほしい。また、広く歴史・文学・哲学などの古典を読み、知識や教養、論理的思考能力を養っておくことは必須。これらが不足していると、授業を理解できないし、面白くもないはず。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『現代政治の思想と行動』 丸山真男 未来社 1962 『忠誠と反逆 : 転形期日本の精神史的位相』 丸山真男 筑摩書房 1992 『文学に現はれたる国民思想の研究 (全四巻)』 津田左右吉 岩波書店 1966 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
小テスト30%、授業態度20%、試験50%を目安に総合的に評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | はじめに | |
2 | 政治学とは何か | |
3 | 政治学はなぜマスター・サイエンスか | |
4 | 国家とは何か | |
5 | 保守主義とは何か | |
6 | 保守主義が成立する条件は何か | |
7 | 日本伝統とは何か(記紀・詩歌・王朝文学) | |
8 | 日本伝統とは何か(神道・国体思想) | |
9 | 日本伝統とは何か(武士道) | |
10 | 日本伝統とは何か(儒教・仏教) | |
11 | 丸山政治学の日本精神史分析 | |
12 | 日本精神とファシズム | |
13 | 津田史学の日本精神史分析 | |
14 | 日本人の歴史的特性-風土と民族の成り立ち | |
15 | 日本的保守主義は可能である | |
16 | 定期試験期間 | |