【講義概要】
デフレ経済からの脱却は道半ばの日本経済、構造改革が叫ばれ実行されつつありますが、その変革が国民にとって真によいものであるかどうか、これを判断するにはもう少し時間が必要かもしれません。一方で、日本経済を取り巻く世界経済にも大きな変化がおきています。近隣諸国との相互依存が深まる中で中国経済の成長減速が日本経済に悪影響をもたらしそうです。またリーマンショックでも明らかなように、アメリカ発の金融危機があっという間に世界経済へ波及してしまいます。
日本はどのような方向に向かいつつあるのか、この問いを常に頭の片隅におきながら、本講義では「第2次世界大戦後の日本経済の歩み」を振り返っていきます。過去の歩みを知ることにより、いま起きている変化がどのようなものなのかを考えていくことになります。
【学習到達目標】
現実の経済データを用いながら、戦後の日本経済の歩みと変化の過程を、自分のことばで説明できるようになる。
【履修上の注意】
本講義は「地(知)の拠点整備事業」(大学COC事業)における地域志向専門科目の1つである。
授業の中で、宿題を課すことがあります。みなさんの課題提出は、CCSからのみ受け付けます。それ以外での提出は、認められませんので注意してください。
【事前準備学習】
授業で取り上げる各年代で日本に起きた歴史的事象は、事前にみなさん自身で調べておくようにしてください。また、授業で提供された様々な統計データが、現在どのような水準にあるのかは、事後学習として自分自身で情報収集できるようにしてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『日本経済論・入門(新版)』 八代尚宏 有斐閣 2017年 必ずしも、教科書に沿って授業運営されるわけではない。 |
参考書 | 適宜、授業の中で紹介する。 |
指定図書 | 『現代日本経済 : バブルとポスト・バブルの軌跡 』 田中隆之著 日本評論社 2002.5 『日本経済論』 正村公宏, 山田節夫著 東洋経済新報社 2002.4 |
【評価方法】
CCSによる宿題提出:20%
期末試験:80%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス:戦後日本経済を知ることの意味 | |
2 | 復興から自立へ(1) 日本政府の政策目標 | |
3 | 復興から自立へ(2) GHQの政策目標 | |
4 | 復興から自立へ(3) 東西冷戦と自立化へ | |
5 | 高度経済成長(1) 高成長の実態 | |
6 | 高度経済成長(2) 高成長の帰結 | |
7 | 通貨危機と石油危機(1) 通貨危機 | |
8 | 通貨危機と石油危機(2) 2度の石油危機 | |
9 | 財政再建とバブル経済(1) 財政再建 | |
10 | 財政再建とバブル経済(2) 円高不況 | |
11 | 財政再建とバブル経済(3) バブル経済 | |
12 | 失われた10年(1) バブル崩壊と複合不況 | |
13 | 失われた10年(2) 金融危機 | |
14 | 21世紀の日本経済 | |
15 | 東海圏の経済状況を中心に | |
16 | 定期試験期間 | |