【講義概要】
マクロ経済学は、1国や1地域の経済全体を分析対象とした学問である。テレビや新聞では、「アベノミクス」「景気」といった言葉が毎日飛び交っているが、こうした話題はマクロ経済学と直結している。
マクロ経済学で扱うGDPは、私たちの生活と関係無いと思うかもしれないが、そんなことはない。景気が悪化すれば失業者が増え、賃金もあがらず、家計に余裕がなくなる。また、学生にとっては、アルバイトが簡単にはみつからないといったことにもなりかねない。さらに、物価が安いことは消費者にとってはありがたいが、同時に、お父さんやお母さんたちの給料が上がらないことも意味している。つまり、諸君の財布の中身は、日本経済の良し悪し次第なのである。
本講義では、GDPや物価指数などマクロ経済の動きを見る上で不可欠な指標を理解し、それらが実際どのように動いているのかを学ぶ。したがって、講義中にグラフが多用されるが、恐れなくていい。グラフの見方に一度慣れれば、これほど便利なものはないと気づくはずである。個々のグラフを確実に理解してほしい。この基礎訓練が、不況などの現実問題を考えるための土台となる。根気よく講義と演習問題に取り組み、自分の理解を確かめながら確実に進もう。
本講義は複数の教員が担当するが、どのクラスでも講義内容は同じであり、毎回の「演習問題」を用意している。また、CCSに「自学自習問題」が用意されており、講義の進行順に開放されるので、講義内容や基礎知識の確認に活用できる。
期末試験で合格点に達しない場合、試験と平常点の合計30点以上の獲得を前提に再評価試験を受けてもらう。これに合格すればC評価を得られる。「マクロ経済学」と「ミクロ経済学」は他の応用分野の基礎となるので、この科目の理解度が今後の経済学部での学習に大きく影響する。このような本科目の重要性に鑑み、特別に再評価試験制度を採用している。
以上のように、本科目は理解度を高めるための様々な工夫がなされている。
【学習到達目標】
国全体の経済活動のメカニズムに関する基本的な知識を習得すること。
【履修上の注意】
毎回行われる演習問題への取り組みとその理解が重要である。
【事前準備学習】
ミクロ経済学入門をきちんと理解しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『『マンキュー入門経済学(第2版)』』 N.グレゴリー・マンキュー著 東洋経済新報社 2014 講義では適宜レジュメ・資料を配布する。 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ミクロ経済学とマクロ経済学の違い | |
2 | 国民所得の測定と三面等価 | |
3 | GDPの計測:豊かさの指標として | |
4 | 物価の計測 | |
5 | 物価による経済変数の補正 | |
6 | 労働市場を捉える | |
7 | 失業の種類と性質 | |
8 | 貨幣とインフレーション | |
9 | 金融市場と金融システム | |
10 | 貨幣の中立性 | |
11 | 景気変動のメカニズム | |
12 | 総需要と総供給 | |
13 | 乗数効果 | |
14 | 演習問題 | |
15 | 授業総括及び試験 | |
16 | 定期試験期間 | |