【講義概要】
経済学には、ミクロ経済学やマクロ経済学等の経済理論の体系がある。これらの理論が現実の経済現象の説明する上で有効な力を持つかどうかを検討することは重要である。統計学や計量経済学の分野で開発されたツールは、経済理論がどの程度現実の経済現象を説明できるのかを明らかにしてくれる。従って、統計学は経済等の現実のデータを分析する道具である。統計学は記述統計と推測統計の2つの部分に分けられる。この講義で取り扱う推測統計は、学生諸君にとって非常に馴染みのある平均等の概念を取り扱うが、やや難しい。
まず、必要な数学の知識を説明してから、推測統計の内容について説明する。必要に応じて、統計学入門で説明される記述統計の概念を復習する。正規分布、平均等の推定量の標本分布、区間推定、仮説検定について、説明する。講義内容に関する統計値の計算や演習は重要である。
この講義の発展した授業としては計量経済学と経済データ分析がある。特に、計量経済学の履修を薦める。また、授業は必ず出席することが単位取得の近道である。
【学習到達目標】
正規分布、標本分布、区間推定、仮説検定の考え方を理解する。
【履修上の注意】
必ず出席すること。出席しないと、単位取得は難しい。受講する前に、統計学入門の単位を取得することが望ましい。
【事前準備学習】
講義開始前に、数列、指数関数の知識につて、復習するのが望ましい。また、講義科目「統計学入門」の内容について、復習した方が良い。毎回の授業終了後には、重要な事項を復習するのが望ましい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『基本統計学 第3版』 豊田利久・大谷一博・小川一夫・長谷川光・谷崎久志 東洋経済新報社 |
参考書 | 『新統計概論』 森田優三, 久次智雄著 日本評論社 1993.10 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
目安として、定期試験100%で評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 簡単な数学(数列と数列の和) | |
2 | 簡単な数学(指数関数、微分・積分) | |
3 | 正規分布 | |
4 | 正規分布による確率の計算 | |
5 | 標本分布(無作為抽出、標本平均の分布) | |
6 | 標本分布(中心極限定理、正規母集団からの標本分布) | |
7 | 推定と推定量について | |
8 | 推定量の性質 | |
9 | 区間推定 | |
10 | 仮説検定の考え方 | |
11 | 仮説検定と2種類の過誤 | |
12 | 平均の検定 | |
13 | 平均の検定:応用 | |
14 | 講義内容の確認 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |