【講義概要】
産業は、労働・生活と深く関わり、日々、誰もが体験し接する社会的な営みで、その動向は人々の将来をも左右する。それゆえ、現代産業論は、普遍的な学問である。
これまでの産業論は、生産・供給という機能的側面に光をあててきたが、人々が職場や地域で織りなす働き様や生き様、そこで培われた文化やノウハウなどの文化的側面は、対象外とされてきた。ひとづくり、まちづくりの概念も入っていないため、現代の複雑かつ多様な産業・地域像を深く包括して捉えることができない。
本講義では、上記の課題に正面から向き合う。生産と地域の現場に根ざし、有形財と無形財にまたがり、ものづくり・ひとづくり・まちづくりを三位一体化し産業システムとして捉える、国際的にも比類のないオリジナルな現代産業論を提示する。
それによって、現代産業と地域の多様かつ複雑な諸相と課題を、理論と実証の両面から有機的に把握できるようにする。さらに、人間観、宇宙観、生命観を問い直し、人の働き方と暮らし方を見直す。
ものづくりを活かす企業・社会・地域の多様なモデルとその実像を提示する。
教材は、理解を深め視野を広げる資料を毎回配布している。授業は、(キーワードを空白にした)講義レジメを軸に進め、必要に応じて、参考書および各種図表や新聞記事なども提示する。
【学習到達目標】
現代産業と地域の多様かつ複雑な諸相と課題を、理論と実証の両面から理解する。ものづくり、ひとづくり、まちづくりを、個々バラバラにではなく三位一体的に、産業システムとして捉え直し、有機的に把握できるようにする。
人間観、宇宙観、生命観を問い直し、人の働き方と暮らし方を見直して、それを可能とする21世紀型の産業システムへの視点と知恵を育みたい。
【事前準備学習】
配布資料に目を通すとともに、参考書を読んで深める。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『現代産業論』 十名直喜 著 水曜社 2017年 参考書をふまえ、レジメおよび各種資料を使って、授業を進める。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 現代産業論への招待 | |
2 | 地球環境の創造と産業基盤 | |
3 | 鉄からみた環境・文明史 | |
4 | 現代産業へのアプローチ | |
5 | 産業システム論の基本的枠組み | |
6 | 産業の3分割と基本分類 | |
7 | 近代産業文明の自然観・人間観 | |
8 | 日本文明の自然観・人間観 | |
9 | 20世紀型産業システムとは何か | |
10 | 21世紀型産業システムへの視座 | |
11 | ものづくり産業の技術と経営―自動車 | |
12 | 〃 ―工作機械 | |
13 | グローバル経営とひとづくり | |
14 | 地域産業と企業経営 | |
15 | 持続可能な産業・地域づくり | |
16 | 学期末試験 | |