【講義概要】
■ 本講義は、私たちの名古屋学院大学が立地する「名古屋」をとりあげて、どのように都市空間が形成されてきたのか、都市文化はどのようにつくられていったのか、また発展の推進力となる都市産業の歴史を踏まえながら、名古屋の発展要因または衰退要因について、理解を深めます。
■ 名古屋の発展は5つのエポック(画期)があります。一つは名古屋城築城期による技術の集積、二つは徳川宗春の都市政策によるものづくり・芸どころ名古屋の形成、三つは明治の殖産興業と専売特許による起業、四つは中京デトロイト構想(自動車産業育成)や軍需都市化、五つは大規模イベントンの開催による人や情報の集合がそれです。
■ このことに加え、都市の空間形成のと関連性を明確にして、名古屋城下町はどのようにつくられたのか、また大火による防火対策、明治以降の人口増加に対応する郊外区画整理事業の実施、戦災復興による都市改造の推進、地下鉄・地下街の整備などを踏まえ、これからの名古屋の都市のあり方を探るものです。
*COC地域志向科目
【学習到達目標】
私たちが今学んでいる、あるいは暮らしているこの名古屋がどういう都市(歴史・文化等を踏まえて)なのかを知ることで、これからの都市のあり方を考えることができるようになります。今後、皆さんは様々な場所で暮らしていくことになるが、まちづくりの進め方を学ぶことで、より快適な都市空間を形成できるようになます。
【履修上の注意】
常に私たちの暮らしの場である「名古屋」に対して注意を払って眺めてみてください。好きな場所、嫌いな場所があるなら、なぜそう思うのかを考えることがまちづくりのスタートです。また、新聞や雑誌で登場する「他の都市」に関する記事や映画での撮影場所も、なぜ取り上げられているのかを考えることもまちづくりのスタートです。
各講義ではパワーポイントを用い、その内容をテキストとして配布しますが、気付いた点はこまめにノートを取りましょう。専門用語が授業中に出てきますので、不明の言葉の意味を調べるなどして、理解を深めておいてください(講義中での質問も可)
【事前準備学習】
名古屋に関する文献やインターネットの記事は多くあります。それらを事前に読み、名古屋のポテンシャルや課題を頭の中で整理しておいてください。名古屋のいいところ、悪いところを体験しておいてください。そうすれば授業が面白くなります。 なお事後には授業で学んだことをミニッツペーパーで提出してもらいます。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 講義の都度、講義内容の資料を配布します。 |
参考書 | 『ナゴヤ全書-この国のみそ-』 「この国のみそ」取材班 中日新聞社 2006 『なごや四百年時代検定公式テキスト』 名古屋商工会議所 中日新聞社 2007 『新修名古屋市史』 新修名古屋市史編集委員会 名古屋市 1997-2001 『名古屋地名ものがたり』 杉野尚夫 風媒社 2017 『旭文左衛門と歩く名古屋のまち』 木下武 ゆいぽおと 2016 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
■定期試験(50%)
■中間テスト(20%)
■平常点(30%)
・平常点は講義で学習した内容を記述するミニッツペーパーで評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンスと名古屋都市論の視点 | |
2 | 名古屋前史(縄文・弥生時代から名古屋築城以前) | |
3 | 名古屋城下町の形成と大火 | |
4 | 江戸時代-徳川宗春の治世と朝日文左衛門の見た名古屋 | |
5 | 明治から昭和初期までの都市形成 | |
6 | 第二次大戦による戦災とその復興 | |
7 | 戦後の都市形成-鉄道・道路等の都市基盤整備と都市計画- | |
8 | 二つの商店街(大須と円頓寺)の盛衰 | |
9 | 公共空間としての広幅員道路の活用 | |
10 | 中間テスト(これまで学んできたこと) | |
11 | 名古屋の発展を支える5つのエポック | |
12 | 名古屋の発展を支える名古屋DNA | |
13 | リニア新幹線の整備に伴う名古屋の変貌 | |
14 | 21世紀型のまちづくりの動向 | |
15 | 名古屋都市論の総括 | |
16 | 定期試験期間 | |