名古屋学院大学シラバス


                シラバス

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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
4限財政学秋A名古屋 22酒井 愛EK2313

【授業情報】

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講義概要

財政学は,政治に携わる学生が受ける講義…というわけではありません。「自分にはあまり関わりがないのでは?」と思わずに,是非学んでおくべき学問分野です。以下では,その理由の一部に簡単に触れたいと思います。
英語では財政学をPublic Finance=公的な資金調達と言います。実際,財政学の発展段階では政府の活動に必要とされる資金をどのように調達するかということに多くの関心が払われていました。政府は集めた資金をもとに,様々な公共サービスを供給するわけですが,そのための財源調達は,皆さんもご存知のとおり租税や公債発行という形でなされています。特に租税に関しては,国民の所得の一部を強制的に徴収するという特別な“チカラ”が政府には認められています。その「使い道」が気になるという方もきっと多いと思います。現在の財政学は,国民から集めた資金をどのように振り分けるかということにも焦点を当てており「国や地方自治体などの公共部門の経済活動」を分析の対象とする学問となっています。
政府の活動は私たちの経済生活にも影響を及ぼします。例えば,政府が所得減税を一時的に行う場合,あなたは単純に消費を増やすでしょうか?減税は一時的なもので,将来は増税になるかもしれないので貯蓄しようと思うかもしれません。税の話だけではありません。政府が供給するものには,警察や消防といった民間では供給されないが社会にとって不可欠なものも数多くあります。もし警察を民間部門でとり行うことになり,1回出動を要請するたびに○○円と請求されるとなった場合,皆さんの生活はどのように変わるでしょうか?ほかにも,民間で供給されているが政府から補助が出されているもの(私学助成と呼ばれる私立大学への政府からの補助金など)や,政府によって価格規制が行われているもの(電力会社は政府の許可なく料金の値上げができないことなど)もあります。
私たちが,混合経済体制のもとで経済生活を営んでいる以上,政府との関わりは密接であり,その影響を受けていると言えます。本講義では,財政学における主要なトピックスを理論的な側面から学んでいきます。



【学習到達目標】

(1)財政学の基礎理論を習得する。
(2)財政学の現実的な諸問題を自分自身で論理的に考えることができるようになる。



履修上の注意

6回目の欠席で失格となるので注意すること。



【事前準備学習】

常日頃から,財政問題に関心を持つこと。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書-教科書は、登録されていません。-
参考書適宜紹介します。
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

①期末テスト:50%
②確認テスト(講義中に不定期に実施。事前予告はせずに抜き打ちで実施。):50%



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1公共部門の資源配分機能(1)公共財の理論
2公共部門の資源配分機能(2)外部性の理論
3公債の理論(1)公債負担論
4公債の理論(2)公債の中立命題
5課税の理論(1)租税負担の公平
6課税の理論(2)課税原則
7所得分配の理論(1)公平の諸概念
8所得分配の理論(2)累進課税による所得再分配
9社会保障論(1)社会保障の理念と目的
10社会保障論(2)公的扶助・公的保険制度・公的年金
11社会的意思決定論(1)政府行動と政治プロセス
12社会的意思決定論(2)議会制民主主義
13公営企業論(1)公的関与の必要性
14公営企業論(2)公共料金決定の基本ルール
15授業の総括および試験
16定期試験期間