【講義概要】
本講義は、学部専門の学習内容を学習する上で必要となる基礎的スキルにターゲットを絞ります。経済学部のディプロマ・ポリシーのうち【知識・技能】「文献資料やデータを収集し、適切に処理する力」を養うことを主な目的としています。
経済学を学習すると必ず数値やグラフに遭遇します。これらを苦手にしていると理解が進みません。そこで、データをグラフとして表現する手法を学習することから、専門科目の内容の理解が容易になります。また、ゼミナールの研究発表で適切なグラフを用いることで、発表内容の説得力が著しく向上します。このようにグラフに関する学習(データ表現)とパソコン実習(技法)を同時に学ぶことが、この講義の主題です。
講義は「情報処理基礎」修了程度の技能や知識を持つ学生を対象としています。実践的な内容を通じて、個人の技術をさらにレベルアップさせます。具体的には、経済学部で必要となるデータの処理・表現方法を例題による実習形式で学びます。表計算ソフト(Microsoft Excel)で、簡単なデータ集計方法やグラフの適切な描画方法などを扱います。データ処理の基本技能をマスターすることで、専門科目の「統計学入門」「統計学」「経済データ分析」さらに上級科目「計量経済学」などへつなげます。
実習形式ですが、単なるExcel操作に終始せず、表計算ソフトの仕組みを理解すること、さらに効率的な操作法を考えることを狙いとします。そのためCCSの自学自習に用意された練習問題から基礎的知識を学びます。
講義で修得した技術や知識を完全に自分の力とするには、実践的な活用が重要です。そこで、日常生活で遭遇するデータや他の授業の課題などをパソコンで処理するように心がけて下さい。これらのスキルが、研究報告書(3年)や卒業論文(4年)の作成に役立ちます。また、CCSには「経済学コア6」が用意されているので、これに取り組んで下さい(特に「データ処理」分野)。さらに、「名証株式投資コンテスト」にも参加する予定です。実際の株価データの動きを分析する際に、Excelを利用してもよいでしょう。
【学習到達目標】
毎回、遅刻や欠席をせず、積極的な姿勢で受講できる。
実習や小テストにおいて、十分な準備や復習ができる。
独力でExcelによるグラフ作成ができる。
グラフ表現として必要な知識(データ系列・軸ラベル・凡例など)を確実に修得できる。
見栄えのよい、美しいグラフや表を作成できる。
Excelでのデータ処理に慣れることができる。
なお、詳細な達成項目は「ルーブリック(評価票)」を参照してください。
【履修上の注意】
本科目はノートパソコンによる実習科目なので、毎回、ノートパソコン一式(本体・電源アダプタ・LANケーブル)を持参すること。学部のクラス指定科目であり「情報処理基礎」と同様に少人数で構成されます。インストラクターによる丁寧な指導のもとで、CCSの教育支援システム(出席・授業アンケート・教材ダウンロード・自学自習・小テストなど)を利用します。実習なので、遅刻や欠席は厳禁です。出席状況が悪くなればCCSから「警告」し、それでも改善がみられない場合には「失格」を通知します。また、受講態度も重要で、同じ授業時間中に、2度注意を受けた学生は「欠席」とします。
【事前準備学習】
前回の授業で扱った内容(技術・知識)をしっかり確認し、自分でグラフ作成ができるようにしておくこと。
Minutepaperなどの課題は期限までに必ず提出し、自学自習などの宿題は授業前に終えておく。
その月までに提示されている「経済学コア6」のテーマは必ず終えておく。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール』 高橋佑磨, 片山なつ 技術評論社 2016 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
詳細は、ルーブリックによる。
1) 授業態度(出席状況を含む)およびCCSでの課題提出状況
2) CCSによる自学自習と複数回の小テスト
3) タイピング技能(最低基準をクリアすること)
4) 総合演習課題
5) 遅れてしまった受講生のフォロー
6) コア6演習の取組状況、コア6コンペの成績
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンスおよび情報処理基礎の復習, コア6演習の確認(8月、9月), ルーブリック確認(1) | |
2 | グラフ作成の基本(1) 元データとデータ系列、Webコンテストの登録 | https://www.nagoya-stock-exchange.com/ |
3 | グラフ作成の基本(2) オブジェクト操作 | |
4 | グラフ作成の基本(3) グラフの編集 | |
5 | いろいろなグラフ(1) 円グラフ | |
6 | いろいろなグラフ(2) 棒グラフ, ルーブリックで到達度確認(2) | |
7 | いろいろなグラフ(3) 折れ線グラフ | |
8 | いろいろなグラフ(4) 散布図 | |
9 | いろいろなグラフ(5) 複合グラフ(2軸グラフ)、グラフの印刷方法 | |
10 | 到達度チェック:CCS小テスト, コア6コンペ, ルーブリックで到達度確認(3) | |
11 | 経済データグラフ(1) CSVデータダウンロード, 株価, 為替 | http://www2.ngu.ac.jp/economic300/index.html |
12 | 経済データグラフ(2) CSVデータダウンロード, 物価指数, 失業率 | http://www2.ngu.ac.jp/economic300/index.html |
13 | 経済データグラフ(3) CSVデータダウンロード, 基準割引率 | http://www2.ngu.ac.jp/economic300/index.html |
14 | 総合演習 「チャレンジ10」 | |
15 | 全体の振り返り, ルーブリックで到達度確認(4) | |
16 | 定期試験期間(到達度の確認:ルーブリックから自己評価) | |