名古屋学院大学シラバス


                シラバス

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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
2限公共経済学秋A名古屋 23水田 健一EK3307

【授業情報】

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講義概要

 公共経済学は、国や地方公共団体などの公共部門が行う経済活動を経済学の側面から分析する学問領域で、理論的には厚生経済学を中心としたミクロ経済理論に基づいて分析が行われてきたが、最近ではゲーム理論やインセンティブ理論を用いてより精緻な分析が展開されている。ミクロ経済学でも学んだように、公共部門が存在しない市場経済では市場の失敗と呼ばれる問題が生じる。そのため、公共部門の役割はそれらの問題をさまざまな手段(税金、補助金など)を用いて解決し、より豊かな社会に導くことである。本講義では、公共部門の市場経済への介入のあり方を、主にミクロ経済学の視点から理論的に検討する。
 公共経済学はミクロ経済学の応用分野であるため、ミクロ経済学の知識が必要不可欠となる。そのため、本講義ではミクロ経済学の復習を織り交ぜながら、市場の機能と政府の役割、公共財の理論、最適公共支出の決定、政治的メカニズムを通じた政策決定、外部性による市場の失敗と外部性の内部化、自然独占市場とその公的規制などについて順次講義していく予定である。



【学習到達目標】

以下の事柄について、正しく理解する。
①市場メカニズムの効率性とその限界
②公共部門が経済において果たすべき役割
③市場の失敗に対する公共部門による規制の意義
④公共的意思決定のメカニズム



履修上の注意

・1年次のミクロ経済学入門の理解を前提とする。
・テキストは、必ず購入して、授業時に持参すること。テキストを購入せずにいて、試験間際になってテキストが入手できなくて困っても、自己責任とします。
・静穏な授業環境を維持するために座席を指定する。指定された席に着席すること。
・教材ダウンロードにアップするパワーポイント・スライドには作図を載せないので、作図部分はテキストで確認してほしい。
・CCSにアップするスライド資料は、該当部分をプリントアウトして、授業時に持参すること。
・毎回授業中に当日の授業内容に関する問題を出すので、授業後、CCSの MinutePaper でその解答を提出してもらう。
・締切後に解答を提出することはできないので注意すること。



【事前準備学習】

1年次に履修したミクロ経済学入門の授業内容について、理解が不十分な箇所があれば十分復習を行うこと。特に、消費者余剰、生産者余剰、社会的余剰について、図式的な理解を確実にしておくこと。
授業前に、教科書およびCCS配布の教材資料の該当箇所をよく読んでおくこと。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『公共経済学』 小川 光 ・ 西森 晃 中央経済社 2015
指示された教科書を丸善の教科書販売所で必ず購入して授業に持参すること。 CCS上で公開する講義ノートおよび Power Point のスライドには作図部分を載せないので、作図部分は教科書を参照してほしい。
参考書『公共経済学で日本を考える』 奥野 信宏・八木 匡・小川 光 中央経済社 2017
『コア・テキスト公共経済学 (経済学コア・テキスト&最先端14)』 板谷 淳一 ・ 佐野 博之 新世社 2013
『公共経済学入門(経済学叢書 Introductory)』 上村 敏之 新世社 2011
指定図書『公共経済学入門』 上村敏之著 新世社 2011.2
『公共経済学』 林正義, 小川光, 別所俊一郎著 有斐閣 2010.12
『コア・テキスト公共経済学(ライブラリ経済学コア・テキスト&最先端:14)』 板谷淳一, 佐野博之共著 新世社/サイエンス社 (発売)
『公共経済学』 小塩隆士著 東洋経済新報社 2016.4
『公共経済学で日本を考える』 奥野信宏, 八木匡, 小川光編著 中央経済社/中央経済グループパブリッシング (発売) 2017.3

評価方法

期末テスト                                70%
平常点(授業中に出した問題への解答、課題提出、授業態度)30%



【講義テーマ】

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1プロローグ: 授業予定、授業方針の説明 他
2公共財の性質
3公共財の最適な供給量の決定
4公共財の需要の虚偽の申告
5地方分権定理と足による投票
6中位投票者定理と二大政党制における政策
7官僚による予算最大化
8中位投票者の定理と二大政党制の下での政策決定
9正の外部性と負の外部性
10外部性による市場の失敗
11税と補助金による外部性の内部化
12コースの定理
13自然独占市場とその公的規制
14二部料金制度とその他の規制手段
15授業の総括及び復習
16定期試験期間