【講義概要】
今日の国際社会は、様々な対立や摩擦を伴いつつもグローバリゼーションの中でより一層相互依存関係を深めている。この現代国際社会を規律する法が国際法(国際公法)であり、授業では国際法の歴史や基本的概念、理論(学説)や裁判例を説明する。国際法の成立形式や成立過程および国際法主体の考察を出発点として、国際社会で問題になっている時事問題、例えばパレスチナ問題等の中東情勢、尖閣諸島、北方領土等の日本の領土問題などもとりあげて説明していく。国際法を通して現代国際社会を理解し、国際感覚を身につけ、困難な状況でも社会の発展に貢献しようとすることをめざす。
授業の進め方としては、教科書を中心に説明した後、必要に応じて、映像や国際機関などのサイトを見て情報収集し、国際社会で生起する様々な課題を理解した上で、その解決策をクラスで考えていく。すなわち、地域から世界を、世界から地域を理解する能力を育て、グループ・ディスカッションや、人権教育のゲームなどの参加型学習も体験する。
【学習到達目標】
① 国際法の基本的枠組みや基本原理を理解する。
② 国際法と日本とのかかわり、私たちの日常生活との関連性につ
いて理解する。
③ 地球市民の一員として、国際的な時事問題を理解し国際世論を
形成できるようになる。
【履修上の注意】
1.「国際法1」(基礎編)と「国際法2」(応用編)は内容が連動しているので、
「国際法1」を履修した学生は「国際法2」も履修することを薦める。
(同一の教科書の前半と後半)
2.関連科目として、「国際関係論入門」、「国際政治学」などの関連
科目を複数履修することによって理解が一層深まる。
3.教員免許取得のために受講する学生は、遅刻・欠席は原則しないよ
うに。(欠席した場合は、欠席補充ペーパー代替措置を提出すること)
【事前準備学習】
1.これまでのふりかえり(復習)をした上で、次回講義内容の教科書の
該当部分をあらかじめ読んでおく。
2.時事問題についての理解を深めるため、ニュースや新聞の国際面に
目を通し、国際情勢に関心をもつ。
3.CCSで紹介している、次回講義内容に関連するサイトを確認しておく。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『よくわかる国際法 第2版』 大森正仁編著 ミネルヴァ書房 2014年 |
参考書 | 『コンパクト学習条約集 第2版』 芹田健太郎編集代表 信山社 2014年 |
指定図書 | 『判例国際法 第2版』 松井芳郎編集代表 東信堂 2006.5 『国際法入門 : 逆から学ぶ』 山形英郎編 法律文化社 2014.4 『基本国際法 第3版』 杉原高嶺著 有斐閣 2018.2 |
【評価方法】
アサイメント・ペーパー(課題1-5%・課題2-5% 課題未提出者は期末試験の受験資格無し)の提出と3.定期試験-40%(1・2・3の合計50%)と
平常点(授業参加度、コメント用紙の提出状況など50%)を総合的に評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 国際法とは何か:国内法との違い | |
2 | 国際法の歴史:国際連合の成立 | |
3 | 国際法の成立形式:国際慣習法、条約、決議等 | |
4 | 国際法の主体:国家、国際機構、NGO、個人等 | |
5 | 空間と国際法・陸の国際法(1):領土・領海・領空 | |
6 | 陸の国際法(2):パレスチナ問題 | |
7 | 陸の国際法(3):日本の領土問題 | |
8 | 海の国際法(1):国連海洋法条約 | |
9 | 海の国際法(2):深海底、境界画定問題 | |
10 | 空と宇宙の国際法:国際航空法、宇宙条約 | |
11 | 国際紛争の平和的解決:国際司法裁判所 | |
12 | 国際人権法:人権の国際的保障 | |
13 | 国際経済法:南北問題、貧困、環境との関連 | |
14 | 国際環境法、国際民主主義の可能性 | |
15 | まとめおよび質問 | |
16 | 定期試験期間 | |