【講義概要】
本講義では、民法第5編「相続」を取り扱います。一般に「家族法」の中の「相続法」と呼ばれている部分です。
「相続」というと、何を思い浮かべるでしょうか。莫大な遺産を相続した、相続をめぐって家族の中で大もめになった……、などをイメージする人が多いのではないかと思います。これらは間違いではありませんが、本講義の対象である「相続」は、こういった話にとどまりません。
人は、たくさんの権利や義務をもって生きています。すると、この人が死亡したとき、この権利や義務は持ち主を失うことになります。ここで、これらの権利や義務をどうするのか、つまり、死亡した人に代わって誰がどのように受け継ぐのか(あるいは、受け継がないのか)を決める必要が生じてきます。これが「相続」であり、このことについてのルールを定めているのが、相続法です。
本講義では、相続について民法が定めているルールの基本的な内容を勉強します。そのうえで、相続について現実に発生している紛争にも目を向け、そこで繰り広げられている議論を参照しつつ、相続法に生じている現代的な問題についても考えてみたいと思います。
【学習到達目標】
• 相続法について、基本的な知識を習得すること。
• 相続法の定めるルールについて、その内容、仕組み、趣旨等を理解すること。
• 相続法について生じている現代的問題点を理解し、それらについて法的な視点から考えられるようになること。
【履修上の注意】
• 授業には、必ず最新の六法を持参してください。授業外での学習の際も含め、常に条文を確認するようにしてください。
• 予習・復習は各自に委ねますが、特にこだわりがなければ、復習を優先することを勧めます。
• 単に知識を覚えるのではなく、なぜそうなっているのかを意識するようにしてください。
• 授業中は、私語は厳禁です。私語をしている学生の方には、単位を与えないことがあります。
• 授業はレジュメを配布して行う予定です。教科書等については、初回の講義で説明します。
【事前準備学習】
• 教科書や参考書の授業該当部分を読んでおいてください。
もちろん、この時点で内容が理解できなくても問題はありません。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書については、初回講義で説明します。 |
参考書 | 必要に応じて、授業中に説明します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
• 学期末試験:100%
• 授業中に、複数回小テストを行います。小テストの成績は、学期末試験の成績に加味される場合があります。
特に、学期末試験で合格点に達しない場合には、小テストの成績に応じて加点を行います。
※成績評価については、初回の授業で詳細な説明を行います。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション:相続とは | |
2 | 法定相続(1):相続人 | |
3 | 法定相続(2):相続資格の剥奪・相続人の不存在 | |
4 | 法定相続(3):相続分 | |
5 | 法定相続(4):相続分(続) | |
6 | 法定相続(5):相続財産(遺産)の範囲 | |
7 | 法定相続(6):可分債権/債務の共同相続(遺産の共有:その1) | |
8 | 法定相続(7):遺産分割(+遺産の共有:その2) | |
9 | 法定相続(8):相続回復請求権 | |
10 | 法定相続(9):相続と登記 | |
11 | 遺言(1):遺言 | |
12 | 遺言(2):遺贈 | |
13 | 遺留分(1):遺留分の意義 | |
14 | 遺留分(2):遺留分減殺請求 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |