【講義概要】
本講義では、民法第4編「親族」を取り扱います。一般に「家族法」の中の「親族法」と呼ばれている部分です。
親族法は、名前のとおり、親族(あるいはいわゆる「家族」)の関係に関するルールを定めています。「家族関係に法律なんて……」と思うかもしれません。しかし、家族が社会の最小単位であることを考えれば、社会を動かすためには、家族についても法律が必要であることはもっともだといえるでしょう。
民法は、家族の関係を、特に結婚している男女の関係(=夫婦)と、夫婦の間に生まれた子と親との関係(=親子)に分けたうえで、それぞれについてのルールを定めています。ここでは、いわゆる核家族が想定されています。しかし、最近では、意識の変化に伴い、男女関係、親子関係は多様化しています。また、技術の発達により、これまででは考えられなかった方法で子どもが生まれることも起こってきています。これらの事情を想定していない民法のもとで、このような新たな状況にどのように対応していくかは、親族法の直面する問題の1つです。
本講義では、まず民法が中心に据える夫婦と親子に関するルールについて、その内容を勉強します。その後、上記のような現代的問題について、そこで繰り広げられている議論にも目を向け、現在の民法に起こっている問題について学びます。
【学習到達目標】
• 親族法について、基本的な知識を習得すること。
• 親族法の定めるルールについて、その内容、仕組み、趣旨等を理解すること。
• 親族法について生じている現代的問題を理解し、それらについて法的な視点から考えられるようになること。
【履修上の注意】
• 授業には、必ず最新の六法を持参してください。授業外での学習の際も含め、常に条文を確認するようにしてください。
• 予習・復習は各自に委ねますが、特にこだわりがなければ、復習を優先することを勧めます。
• 単に知識を覚えるのではなく、なぜそうなっているのかを意識するようにしてください。
• 授業中は、私語は厳禁です。私語をしている学生の方には、単位を与えないことがあります。
• 授業はレジュメを配布して行う予定です。教科書等については、初回の講義で説明します。
【事前準備学習】
• 教科書や参考書の授業該当部分を読んでおいてください。
もちろん、この時点で内容が理解できなくても問題はありません。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書については、初回講義で説明します。 |
参考書 | 必要に応じて、授業中に説明します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
• 学期末試験:100%
• 授業中に、複数回小テストを行います。小テストの成績は、学期末試験の成績に加味される場合があります。
特に、学期末試験で合格点に達しない場合には、小テストの成績に応じて加点を行います。
※成績評価については、初回の授業で詳細な説明を行います。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション:「親族法」って、何? | |
2 | 親族法総論 | |
3 | 婚姻(1):婚姻の成立 | |
4 | 婚姻(2):婚姻の無効・取消し | |
5 | 婚姻(3):婚姻の効果 | |
6 | 婚姻(4):婚姻の解消 | |
7 | 婚姻(5):婚姻の解消の効果 | |
8 | 婚姻外の男女関係 | |
9 | 親子(1):嫡出子 | |
10 | 親子(2):嫡出でない子 | |
11 | 親子(3):生殖補助医療によって生まれた子 | |
12 | 親子(4):養子 | |
13 | 親子(5):親権 | |
14 | 後見 | |
15 | 扶養 | |
16 | 定期試験期間 | |