【講義概要】
主として刑事法を題材として、諸外国(特にドイツ・アメリカ・中国)の法制度について学ぶとともに、それらが日本の法制度に与えた影響、日本の法制度との違いとその歴史的・社会的背景について概説します。
【学習到達目標】
法制度は各国の歴史、社会状況に応じて大きく異なることを知り、法制度には唯一正しいものが存在するわけではないことを認識できるようになることが目標です。また、現在の日本の法制度は外国から大きな影響を受けて作り上げられてきたことを知った上で、新しく生じる問題に対しても比較法的な視点をもって考えることができるようになることを目指します。
【履修上の注意】
本講義は、基本的に刑事法を題材とします。講義においても必要に応じて解説しますが、わが国の刑事法について基本的な知識が事前にあると理解が容易になるでしょう。「刑法総論」や「刑法各論」、「刑事訴訟法」といった刑事法関連の科目を履修しておくことが望ましく思われます。
なお当然のことですが、私語やスマートフォンの操作など、他の受講生の迷惑になる行為は慎んでください。
【事前準備学習】
題材とする刑事法について、「刑法総論」等の刑事法関連科目を履修済みの人は教科書、レジュメ等を見直しておくことが望ましいです。履修していない人も、刑法の入門書(たとえば井田良『基礎から学ぶ刑事法〔第5版〕』(有斐閣、2013年))に目を通しておくと、講義の理解が容易になるでしょう。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書は特に指定しません。 |
参考書 | 『ドイツ刑事法入門 ※参考書①』 金尚均ほか 法律文化社 2015 『はじめてのアメリカ法〔補訂版〕 ※参考書②』 樋口範雄 有斐閣 2013 『入門中国法 ※参考書③』 田中信行編 弘文堂 2013 参考書①は、ドイツ刑法、刑事訴訟法、さらには刑事政策まで概説するものです。参考書②、③はそれぞれアメリカ法、中国法全般について刑事法に限らず概説するものです。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
定期試験(50%)と、レポートや授業への参加態度(履修者の状況によって、レポートに基づいた報告を求める場合があります:50%)とを合わせて評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 日本法と外国法 | |
2 | 大陸法と英米法 | |
3 | 日本の裁判制度と諸外国の裁判制度 | |
4 | 裁判員制度と陪審制、参審制、国民参与裁判 | |
5 | 各国の刑罰制度、特に死刑 | |
6 | ドイツ法①:概説 | |
7 | ドイツ法②:刑事実体法 | |
8 | ドイツ法③:刑事手続法 | |
9 | アメリカ法①:概説 | |
10 | アメリカ法②:刑事実体法 | |
11 | アメリカ法③:刑事手続法 | |
12 | 中国法①:概説 | |
13 | 中国法②:刑事実体法 | |
14 | 中国法③:刑事手続法 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |