【講義概要】
本講義では、民法第3編「債権」のうちの第2章「契約」の部分を取り扱います。一般に「契約法」と呼ばれている部分です。
これまでの民法の勉強の中で、「契約」というものにはすでに何回も出会っているかと思います。だからこそ、皆さんは契約のことを「何となく、大事そう……」と思っているかもしれません。そうだとすれば、その通りです。私たちの日常生活をはじめとして、現代社会が動いていくためには、契約という制度が欠かせません。物を買う、電車に乗る、大学に通う……、これらはすべて契約です。このように契約が重要であるために、民法には契約についてのいろいろなルールが置かれています。そして、それらのルールは、変動する現代社会に対応するために、常に変化と隣り合わせにあります(もっとも、これは契約法に限ったことではありません)。
本講義では、身近な事例を使いながら、契約法の内容を勉強していきます。特に、契約法のルールの内容や、その仕組み・考え方を中心に、できる限りわかりやすく説明を行います。具体的には、契約が発生してからなくなるまで=契約の一生を勉強し、次いで、契約の種類ごとの個別ルールを学習していきます。
【学習到達目標】
・ 契約法について、基本的な知識を習得すること。
• 契約法の定めるルールについて、その内容、仕組み、趣旨等を理解すること。
• 契約トラブルの簡単な事例について、契約法のルールを使って解決法を考えられるようになること。
【履修上の注意】
・ 授業には、必ず最新の六法を持参してください。授業外での学習の際も含め、常に条文を確認するようにしてください。
• 予習・復習は各自に委ねますが、特にこだわりがなければ、復習を優先することを勧めます。
• 単に知識を覚えるのではなく、なぜそうなっているのかを意識するようにしてください。
• 授業中は、私語は厳禁です。私語をしている学生の方には、単位を与えないことがあります。
• 授業はレジュメを配布して行う予定です。教科書等については、初回の講義で説明します。
【事前準備学習】
• 教科書や参考書の授業該当部分を読んでおいてください。もちろん、この時点で内容が理解できなくても問題はありませ ん。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書については、初回講義で説明します。 |
参考書 | 必要に応じて、授業中に説明します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
• 学期末試験:100%
• 授業中に、複数回小テストを行います。小テストの成績は、学期末試験の成績に加味する場合があります。
特に、学期末試験で合格点に達しない場合には、小テストの成績に応じて加点を行います。
※成績評価については、初回の授業で詳細な説明を行います。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション:契約法の全体像 | |
2 | 契約の一生(1):契約の成立 | |
3 | 契約の一生(2):契約の効力 | |
4 | 契約の一生(3):契約の解消 | |
5 | 売買(1):契約の成立と効力 | |
6 | 売買(2):売主の責任 | |
7 | 売買(3):売買法に関する民法改正 | |
8 | 贈与・交換:いろいろな「権利移転」 | |
9 | 賃貸借(1):賃貸借の成立・効力・終了 | |
10 | 賃貸借(2):賃貸借と第三者 | |
11 | 賃貸借(3):借地借家法など | |
12 | 消費貸借・使用貸借:いろいろな「貸し借り」 | |
13 | 役務提供型契約(1):請負 | |
14 | 役務提供型契約(2):委任・雇用 | |
15 | その他の契約/新種の契約 | |
16 | 定期試験期間 | |