【講義概要】
私人間の生活関係(経済生活・家族生活)から紛争が生じたとき、民法や商法などの実体私法は、それを解決するための規範として役立つ。民事訴訟とは、私人間の紛争を、実体私法を用いて強制的に処理する制度であり、その手続を規律するのが民事訴訟法である。この授業では、民事訴訟手続における訴えの提起から審理までの流れを中心に、手続の基本構造と民事訴訟法の基礎理論について、近時の判例や学説なども紹介しながら説明する。
【学習到達目標】
民事訴訟手続の基本構造や民事訴訟法の専門用語を理解し、体系的な知識を修得することができる。
【履修上の注意】
この民事訴訟法1では、民事訴訟手続(判決手続)を前半と後半に二分して、その前半部分を取り扱う。手続の後半部分については、秋学期に開講される民事訴訟法2で取り扱うため、民事訴訟手続の一連の流れについて理解を深めるためには、両科目を連続して履修することが望ましい。
【事前準備学習】
事前学習として、授業テーマ記載の各項目について参考書を通読すること。
事後学習として、講義内容をノートにまとめるなどして論点を把握し、レジュメ掲載の練習問題を解いて自己の理解度を確認すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『民事訴訟法〔第2版〕』 山本弘・長谷部由紀子・松下淳一 有斐閣 2013 講義は、配布レジュメを中心に進めることとする。各自六法を持参すること。 |
参考書 | 初回講義時に参考書の選び方、読み方などを指示する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス、民事紛争とその解決手続 訴訟と非訟、ADR(裁判外紛争解決手続) | |
2 | 裁判所 裁判所の意義と構成、裁判権と管轄権 | |
3 | 裁判所 訴えの管轄裁判所、訴訟の移送 | |
4 | 当事者 当事者の意義、当事者の確定 | |
5 | 当事者 当事者能力、訴訟能力 | |
6 | 当事者 訴訟上の代理 | |
7 | 訴え 訴えの概念と訴訟提起の方式 | |
8 | 請求 訴訟物 | |
9 | 請求 申立事項と判決事項 | |
10 | 請求 一部請求 | |
11 | 訴訟要件 訴訟要件の概念、訴えの利益 | |
12 | 訴訟要件 当事者適格、訴訟担当 | |
13 | 訴え提起後の手続 訴状の審査、送達 | |
14 | 訴え提起・訴訟係属に伴う効果 重複訴訟の禁止、その他の効果 | |
15 | 審理手続総説 審理原則、期日と期間 | |
16 | 定期試験期間 | |