【講義概要】
1980年代後半から、日本で生活する外国人(日本国籍を持たない人々)が増えてきた。近年、不況や東日本大震災の影響があって、若干数は減ったが、日本には200万を超える外国籍者が生活している。外国籍者の増加に伴い、日本社会は多文化社会となってきた。そうした状況において、異なった文化的背景を持った人々の文化を尊重し、権利を保障し、共に生きるという「多文化共生」という理念・施策が重要になってきた。本講義においては、そうした多文化社会の現状、成立の歴史・背景を考える。
授業の予定は概ね、次のとおりである。
まず、在日外国人の概況を統計を通じて把握する。そして、多文化共生という考え方を紹介し、人権や異文化の尊重という授業という考え方の基礎、根幹を理解してもらう。次いで、在日コリアン、ブラジル人、フィリピン人について、取り上げ、在日外国人について、理解を深めていく。
その後、在日コリアン、ブラジル人、フィリピン人に共通する事項、異なる事項を比較しながら、多文化共生について考えてもらう。その後、多文化共生に向けた実践例を紹介する。
最後に、多文化共生を実現するにはどのようなことが必要か、検討する。
本講義ではDVD鑑賞の他、ゲストスピーカ―も招請する予定である。
【学習到達目標】
①受講生は日本における外国人の概況について、説明できる。
②受講生は在日外国人に対する差別や人権の蹂躙について、説明できる。
③受講生は多文化共生とは何かを理解し、その実現のため、何が必要か、説明できる。
【履修上の注意】
継続的に授業に出席すること。
総授業回数の3分の2以上、出席すること。
私語・遅刻厳禁。
【事前準備学習】
日ごろから在日外国人に関する新聞記事、ニュースを確認してほしい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『在日外国人と多文化共生』 佐竹眞明編著 明石書店 2011 『在日外国人』 田中宏 岩波書店 2013 『ニッポンに生きる 在日外国人は今』 共同通信取材班 現代人文社 2011 『フィリピン―日本国際結婚』 佐竹眞明・メアリーアンジェリン・ダアノイ めこん 2006 佐竹編著は授業において適宜参照するので、学習を深めるために入手、もしくは図書館から借りて読んでほしい。
いずれも図書館にあります。 |
指定図書 | 『フィリピン--日本国際結婚 : 移住と多文化共生 』 佐竹眞明, メアリー・アンジェリン・ダアノイ著 めこん 2006.5 『在日外国人と多文化共生 : 地域コミュニティの視点から 』 佐竹眞明編著 明石書店 2011.2 |
【評価方法】
平常点30%、コメントペーパー・小テスト10%、レポート試験60%。