【講義概要】
アジア地域の経済発展は、世界の他地域に比較して、相体的に高い経済成長を実現させ、時には「奇跡」という表現さえ使われ、世界の注目を浴びてきた。世界のグローバル化が進行するなか、中国を筆頭にアジア新興国とのビジネス上の相互依存関係は、日本にとって益々重要性を増している。日本企業の国際化は相手国のどのような点に留意する必要があるのかといった、テーマを扱う。
当講義はアジアにおける企業の業種や人事労務問題を中心に、現地企業や現地に進出した日系企業や外資系企業における就業事情の動向について認識を深める。アジア諸国の認識を深めるには際しては、その国の政治経済はもとより、歴史、文化、慣習をも学び、ビジネス上の問題の解決策をも考察する。
当講義においては、まず、貿易額の多い中国からはじめ、ベトナム、NIEs、ASEAN諸国へと進む計画である。現地日系企業がどのような課題に直面し、どのような具体的な解決・対応策によって、自らの経営体制の変容を図って現地に溶け込んでいるかの理解と、経済の変化によって、経営のあり方も変わっており、企業の人事労務問題を中心に、現地企業の経営者・社員の就業事情の動向と、そのあるべき方向を具体的事例のもとに考える。
【学習到達目標】
イギリスのEU離脱に始まり、アメリカのトランプ政権誕生直後のTPP離脱など、国際政治経済は、欧米主導型から徐々にアジア主導への大変化を学びとる中で、中国勃興と東アジア経済の位置づけを把握する。その中で、日本の果たす役割を考える。政治経済の流れが、アメリカ、ヨーロッパから東アジアにシフトしているダイナミズムを学び取り、ビジネスの有り様を考える。
具体的には、現地進出(日系含む)企業の直面する課題とその要因・対応の実態を把握し、現地企業の運営に当たって、最近の人事労働問題も含めた各国の就業事情を日中比較も交えながら、異文化理解に努める。
【履修上の注意】
受講にあたっては、日本との政治、経済、文化などの違いの把握に努める。その為には日頃から、中国をはじめとしたアジア諸国を取り巻く情報(TV.ネット、新聞、雑誌など)収集を心がける。
例えば、特に中国情報は偏った情報が入りがちなので、多面的な見方が必要であり、興味のある問題をひとつ取り上げ根本から考える工夫をする。
【事前準備学習】
教科書や参考文献の予習は当然として、現実に生起している問題を、自分の頭で考え、教科書や参考文献で捉えられない問題を考えれるように努力する。問題を自分にひきつけて考える工夫をする。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『『地域創生の産業システム』』 十名直喜編著 水曜社 2015 『地域創生の産業システム』は国内外の産業システムや、人事、労働問題などを捉えている。名古屋学院大学の博士課程で学んだ者たちの出版物。 |
参考書 | 『『国際経営(新版)』』 吉原英樹著 有斐閣アルマ 1997 『『ものづくり国際経営戦略-アジアの産業地理学-』』 新宅純二郎・天野倫文編 有斐閣 2009 『『現代中国経済』』 丸川知雄 有斐閣アルマ 2013 『『アジア・シフトのすすめ』』 田村耕太郎 PHPビジネス新書 2015 『国際経営(新版)』、『ものづくり国際経営戦略-アジアの産業地理学-』、『アジア・シフトのすすめ』は具体的に海外で活躍する産業の実態を、問題点を含めて、記述しており、「アジア就業事情」理解に役立つ。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
、評価レポート,出席率,学習態度等を総合的に判断して,成績の評価を行う。
出席回数が講義全体の2/3 以上であることを要求する。
筆記試験・・・70点、平常点・・・・30点 受講態度等
テスト持込可:教科書、自筆ノート、配布資料(ファイルに閉じておくこと)。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 1講 プロローグ アジア経済のダイナミズムと日本企業 | |
2 | 2講 中国改開放政策の歩みと政策 | |
3 | 3講 中国巨大市場と日本企業の新たな展開 | |
4 | 4講 中国市場に挑む日系企業 | |
5 | 5講 中国高度経済成長後の企業戦略(一帯一路) | |
6 | 6講 インド、世界有数の消費市場への進出と課題 | |
7 | 7講 インドネシアの現在と市場の特徴 | |
8 | 8講 シンガポールの現在と市場の特徴 | |
9 | 9講 韓国 「緑色成長戦略」 | |
10 | 10 講 ラオス、フィリピン、マレーシアの現在と市場の特徴 | |
11 | 11 講 台湾 鴻海精密集団 | |
12 | 12 講 ベトナムの産業 | |
13 | 13 講 ベトナムへの日系企業進出事例(1) | |
14 | 14 講 ベトナムへの日系企業進出事例(2) | |
15 | 15 講 授業総括(研究課題提起) | |
16 | 16 講 定期試験期間 | |