【講義概要】
アジアはヨーロッパや北米に劣らない経済力、政治力を持ち、隣国とは深い人的・文化的交流を持ちながらも、いまだに地域協力の枠組みを待たないのがアジアである。アジア新興国との貿易やビジネスは日本にとって益々重要性が増している。現在アジアにおいて行われている商取引はどのようなシステムや特徴があるのか、さらに、グローバル化が進行しているなかで、それはどのような変化を見せているのか、日本人がそのような国々とビジネスを行う際どのような点に留意すべきか、といった問題をテーマとする。
本講義では,NIEsの経済発展の特徴,ASEAN諸国の経済発展の特徴などについて触れる。高度成長とともに様々な社会問題について分析する。例えば,経済開発、環境、破壊,人口増加と都市集中,ビジネス、労働実態、所得格差などである。
【学習到達目標】
イギリスのEU離脱に始まり、アメリカのトランプ政権誕生直後のTPP離脱など、国際政治経済は、欧米主導型から徐々にアジア主導への大変化を学びとる中で、中国勃興と東アジア経済の位置づけを把握する。その中で、日本の果たす役割を考える。政治経済の流れが、アメリカ、ヨーロッパから東アジアにシフトしているダイナミズムを学び取り、ビジネスの有り様を考える。
具体的には、現地進出(日系含む)企業の直面する課題とその要因・対応の実態を把握し、現地企業と当該国企業との商習慣を日本との比較も交えながら、異文化理解を深める。
【履修上の注意】
進め方として,レジュメに従って講義形式で進める。レジュメのテーマにないものは,その都度補って行く。レジュメの計画に基づいて授業を行うが、受講生から質問がある場合,随時回答に努める。受講生が授業内容を十分理解しているか否かを確認するために受講生に質問するケースもある。
【事前準備学習】
事前に教科書や参考書に眼を通しておくこと。講義に理解を深めるため新聞やテレビ等の情報等をキャッチして、疑問を持って講義に出席するくらいの姿勢が欲しい。
受講後も新聞やテレビ等の情報等から講義内容のチェックを検証して欲しい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『『アジア力の世紀』』 進藤栄一 岩波新書 2013 『『東アジア共同体』』 谷口 誠 岩波新書 2004 『東アジア共同体』をベースに進めるが、『アジア力の世紀』は実現可能な絞込みの理論なので政治、社会の理解に大いに役立つ。 |
参考書 | 『『東アジアの開発経済学』』 大野健一・桜井宏二郎 有斐閣 1997 『『ものづくり国際経営戦略-アジアの産業地理学-』』 新宅純二郎・天野倫文編 有斐閣 2009 『『-図解☆早わかり-ベトナムビジネス』』 ベトナム経済研究所編・窪田光純著 日刊工業新聞社 2006 『ものづくり国際経営戦略-アジアの産業地理学-』や『-図解☆早わかり-ベトナムビジネス』は、その国の産業や業種について具体的活動事例が詳細に書かれており、「アジアの商習慣」理解に役立つ。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
評価:レポート,出席率,学習態度等を総合的に判断して,成績の評価を行う。
出席回数が講義全体の2/3 以上であることを要求する。
筆記試験・・・70点、平常点・・・・30点 受講態度等
テスト持込可:教科書、自筆ノート、配布資料(ファイルに閉じておくこと)。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | <講義タイトル> | |
2 | 第1講 東アジアとはなにか | |
3 | 第2講 アジアの貿易構造 | |
4 | 第3講 世界の成長センターとしてのアジア | |
5 | 第4講 東アジアの製造業 | |
6 | 第5講 途上国の工業化 | |
7 | 第6講 NIESの経済発展 | |
8 | 第7講 ASEAN諸国の経済発展 | |
9 | 第8講 中国とベトナムの産業 | |
10 | 第9講 自動車・オートバイ産業 | |
11 | 第10 講 家電・液晶・エレクトロニクス産業 | |
12 | 第11 講 インド世界トップレベルの通信情報技術 | |
13 | 第12 講 東アジアへの国際化戦略と経営成果 | |
14 | 第13 講 経済成長と環境破壊 | |
15 | 第14 講 東アジア型の体制移行戦略 | |
16 | 第15 講 授業総括(研究課題提起) | |