【講義概要】
この授業は国際環境論と対をなすものである。必ずしも国際環境論の履修を前提としないが、授業の中ではつねに連関させる項目が出てくるので、初学者にはその都度参考などを示してサポートする。また、NGU教養スタンダード科目である生態学とも大きく関係しているが、その履修も受講の前提ではない。こちらもさまざまな情報提供によって理解の補助を図ることとする。
さて、この科目が目標とする学習内容は、人間生活の変貌によって大きく影響を受けながら全地球規模で変化する自然環境が、人間社会そのものにどのようにフィードバックされ、人間の生活すなわち生物的人間としてのありようを超えて、地域固有の生き方や地域的文化のあり方を変化させていくのか、あるいはすでにどのように変化させられてきたのか、ということについて考究するものである。
人間の手による自然の改変の問題は、変化しつつある自然による人間自身の生存原理の変革をも求めるものである。それは人間の自己家畜化ともいえる文化的生存基盤の変容であり、具体的には地域固有あるいは民族固有の文化現象の多様化と類型化の中に認められる。この授業では、アジア、中南米の少数民族文化と自然環境との関係を主たる事例として取り上げ、人間文化の環境適応について論じるとともに、これからも変動を続ける国際社会の中で、多様な文化がいかにすれば存続可能なのかという点についても考えてみたい。
【学習到達目標】
自然環境が地域固有の文化事象と密接な関係を持つことを理解する。
地域文化を持続的に維持するために必要な環境的配慮について考える力を養成する。
愚らーばる化する世界同行の中で地域の価値を自覚するような行動を、自らとれるように、主体性を磨く。
【履修上の注意】
授業に参加することが第一条件である。
授業中に示された課題を期限内にこなし、また指示された提出物は必ず提出する。
【事前準備学習】
授業における示唆や指示、あるいはシラバス等で示された地域や課題を授業前に確認し、当該地域や当該課題に関する基本的な知識を事前に得ること。
授業後には自ら再確認のための学習を行い、知識を整理するなどの事後学習をすること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
授業への参加態度、平常の授業における発言など授業への積極的関与の仕方、小テスト、感想文、レポートなどの提出状況と記述内容などを点数化し、客観的評価として示す。評価の具体的な方法に関しては授業の中で開示する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 国際環境文化論という学習分野と人間理解の方法 | |
2 | 変貌する自然環境と人間社会の関与 | |
3 | 人間の進化史を通して見た自然利用と自然に依存した生活 | |
4 | ホモ・サピエンス以前 | |
5 | 日本人の生活史 | |
6 | 人間らしい生活と自然環境 | |
7 | アジアの少数民族に見る自然と人間の関係 | |
8 | アマゾン先住民における自然利用の歴史 | |
9 | 日本人はどうだったのか? | |
10 | 近代以降の「自然と人間」 | |
11 | グローバルに見た自然の改変の事実 | |
12 | 地球温暖化と自然環境の変動 | |
13 | 自己家畜化という考え方 | |
14 | 自己家畜化と自己人為淘汰 | |
15 | 地球と人類文化の未来 | |
16 | 定期試験期間 | |