【講義概要】
本講義は医療・科学技術等の発展を背景に生じた生命倫理に関する種々の問題を生命倫理と法の観点から問題を分析し、個人の尊厳と人権保障の在り方についての基本的理解を習得することを目的とする。具体的には、生命倫理のガイドラインや国内・国外の宣言、生殖医療と人権、臓器移植と人権、安楽死・尊厳死と人権などについて事例を取り上げ、それを通して生命倫理と人権保障の在り方を考察する。また、大学を中心とする地域の生命倫理に関する問題についても併せて考察する。
※COC地域志向科目
【学習到達目標】
本講義では医療・科学等の発展を背景に生じた生命倫理に関する問題を法的観点から考察し、個人の尊厳と人権保障の在り方の重法要性を理解し、それを基礎に生命倫理のよりよい方向への道筋を刑法・民法・行政法など多角的視点から構築できる能力を養成することを目標とする。
【履修上の注意】
本講義は1年次・2年次で履修した基本的な法律を理解していることを前提に行う。受講生は講義内容について様々な視点から考察できるよう報道や新聞記事に関心を持ち、個々人が自分の考えを構築できるよう努力することが望まれる。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 講義開始時に生命倫理に関する基本書を指定する。
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参考書 | 『『生命倫理と法』[ダイジェスト版]』 生命倫理と法編集委員会編資料集 太陽出版 2008年 『『いのちの法と倫理』【第三版】』 葛生栄二郎・河見誠共著 法律文化社 2004年 『臓器移植と脳死』 中山研一 成文堂 2001年 『医療判例ガイド』 植木哲・斎藤ともよ・平井満・東幸生・平栗勲 有斐閣 1998年 その都度必要な参考書等を指定する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
学習内容の理解度をはかるため、数回の授業内小テストを行い、また学期末には筆記試験を行う。期末テスト(70%)と小テスト(20%)、さらにレポート(10%)の結果を総合して判断し、評価を行う。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 生命倫理と宣言(1)ヘルシンキ宣言と倫理原則 | |
2 | 生命倫理と宣言(2)リスボン宣言と患者の権利 | |
3 | 生命倫理に関するガイドライン(1)WHO(世界保健機構)によるガイドライン | |
4 | 生命倫理に関するガイドライン(2)日本におけるガイドライン | |
5 | 生殖医療と人権(1)人工授精・体外受精の法的問題と法的規制 | |
6 | 生殖医療と人権(2)生殖医療から生じる親子関係:代理出産と親子関係 | |
7 | 臓器移植と人権(1)死の概念:三徴候説・脳死説 | |
8 | 臓器移植と人権(2)臓器移植法と今後の課題 | |
9 | 臓器移植と人権(3)臓器提供と自己決定 | |
10 | 安楽死と人権(1)安楽死・尊厳死の概念 | |
11 | 安楽死と人権(2)安楽死と自己決定 | |
12 | 安楽死と人権(3)安楽死と刑法202条(承諾・嘱託殺人罪) | |
13 | 安楽死と人権(4)判例における安楽死要件 | |
14 | 性同一性障害と法 | |
15 | 医療事故と裁判ー特に大学を中心とする地域に関して | |
16 | 定期試験週間 | |