【講義概要】
知的財産制度には、特許権、著作権、営業秘密をはじめ、様々な制度がある。知的財産制度を鳥瞰しつつ、身のまわりにどのような影響を与えているか、実社会においてどのように活用され、そして今後どのような方向に進むのか、知的財産制度への多角的な理解を深めることを目的とする。本コースでは、基礎的知識をもとに、各自が積極的に発表テーマの発掘、調査、プリゼンテーション、討論を行う。
教科書として、四宮隆史『小説で読む知的財産法』(法学書院、2010年)を使用し、担当部分についてゼミ生が報告し、その部分に出てくる知的財産法上の論点について、報告が求められる。各自が他のテーマを提案する場合は、事前に相談すること。
【学習到達目標】
経済、文化、国際等様々な面で社会において生じる出来事を、知的財産制度という観点からも捉える視点を得ることを目標にする。また、発表の機会を通じて、企画立案、調査、口頭による説得能力、討論の能力を高める。
【履修上の注意】
今日では、学問で得た知見を実際に使う、そして他の人に伝えるとともに、相手とのコミュニケーションを通じて付加価値を高めるスキルやプロセスが重要である。出席に加え、報告の際の準備はもとより、他のゼミ生の報告への質問やその返答など、討論参加が不可欠である。各自の発表の際に参加者への議論喚起、質問への対応、他の学生の発表の際の質問の提起をはじめ、積極的な討論への参加が望まれる。
レポートや発表で、インターネットを含む各種情報や文献を使用する際には、必ず出典を明示すること。そして各自の分析や意見を提示する際は、単なる複写ではなく、自分で考えた言葉で表現するよう心掛けること。
【事前準備学習】
知的財産法について基礎的理解に自信のない人、一部のみについて理解しているという人、あるいは全体像を改めて再確認したい人は、まずは『知的財産法入門』(岩波書店)を速読して、制度の全体像をつかむこと。
ゼミが終わった後、知識や議論の重要なポイントを箇条書きでもよいから、必ずメモを作成して、後で思い出せるように整理しておくこと。そして、他の科目を受講したり、社会の出来事に関する各種の情報に接して、学んだ事項との関連性に気付いた際は、いつでもメモに追記できるようにすること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『小説で読む知的財産法』 四宮隆史 法学書院 2010 |
参考書 | 『知的財産法入門』 小泉直樹 岩波書店 2010 『知的財産法入門』 木棚照一編 法律文化社 2017予定 |
指定図書 | 『国際知的財産法』 木棚照一著 日本評論社 2009.3 |
【評価方法】
発表への準備、討論への参加、授業への参加等の平常点により評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 講義の方針、班分け、作業の見通し | |
2 | 第1章 特許侵害訴訟の萌芽(序論、本論) | |
3 | 第1章 特許侵害訴訟の萌芽(本論、むすび) | |
4 | 第2章 ライセンス契約(実施権の許諾)(序論、本論) | |
5 | 第2章 ライセンス契約(実施権の許諾)(本論、むすび) | |
6 | 第3章 発明の対価(序論、本論) | |
7 | 第3章 発明の対価(本論、むすび) | |
8 | 第4章 映画ビジネスと著作権(序論、本論) | |
9 | 第4章 映画ビジネスと著作権(本論、むすび) | |
10 | 第5章 WEBサイトの権利(編集著作物)(序論、本論) | |
11 | 第5章 WEBサイトの権利(編集著作物)(本論、むすび) | |
12 | 第6章 著作権の課題 | |
13 | 第7章 「商標」と「商品等表示」 | |
14 | 第8章 特許損害訴訟の行方(序論、本論) | |
15 | 第8章 特許損害訴訟の行方(本論、むすび) | |
16 | 定期試験期間 | |