【講義概要】
私たちは、数多くのリスク(事故・災害・犯罪・環境・食・医療)に囲まれて生活しています。リスクが単なる危険であれば、それを避ければ済みます。一方でリスクには利益も含まれており、単純に拒否するだけでは充実した生活を送ることができません。現代社会においては、リスクとうまく付き合う(コミュニケーションする)姿勢が求められています。しかし、リスクに対する認識は個人によって多様であり、また素人と専門家の間でも異なることから、論争が絶えません。本授業では、心理学を中心とした社会科学的な視点からリスクについて理解し、リスクに関わるコミュニケーションについて考えます。授業では、リスクが個人化した現代社会について現状を把握し(DP1:知識・理解)、さらにそれに関わる心理学的な視点や知識を学習します(DP2:知識・理解)。さらに、リスクが身の回りに降りかかってきた時に困らないよう、リスクに対する対処方法について考えます。
なお、受講人数によっては講義にとどまらず、学生自らリスクとどう向かい合うかを検討し、グループで発表する活動を行うことを考えています。
【学習到達目標】
・リスクに対する認知や意思決定における認知のバイアス等、人間の認知能力について説明できる。
・身近な失敗や自己について、リスク・コミュニケーションの視点から分析し、説明できる。
・リスク・コミュニケーションの視点から失敗や事故の予防方法、対応方法を提案できる。
【履修上の注意】
リスクの心理学の中でも応用的分野である。心理学概論等の入門科目を受講している方が望ましい(必須ではない)。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
中間試験(複数回の小レポート):40%、期末試験:60%
無断での遅刻欠席、授業中のマナー違反行動については、減点対象となる。出欠等について必要があれば教員に連絡すること。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 授業ガイダンス | |
2 | リスクとは何か | |
3 | リスク・イメージとリスク認知 | |
4 | 意思決定におけるリスク認知のバイアス | |
5 | ゼロリスク症候群とリスクの社会的受容 | |
6 | ヒューマンエラーのメカニズム | |
7 | 組織におけるリスク・マネジメント | |
8 | 医療リスクと患者の意識 | |
9 | 災害リスクと防災行動 | |
10 | 食の安全と購買行動 | |
11 | 環境の安全と持続可能な社会の構築 | |
12 | 安全・安心・信頼 | |
13 | リスク教育と情報 | |
14 | リスクの予防原則とは | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |