【講義概要】
私たちは社会や集団の中で生まれ、育まれ、一生を過ごします。家族、学校の友人、会社の同僚、その他人間関係は、個人の生活の質を高めてくれる一方で、うまく振舞えないことがその質を低下させる危険性をはらんでいます。さらに、現代社会においては、国際化や人材の流動化により、多様な価値観や背景を持つ個人が社会人として触れ合う機会も増加しています。このような時代においては、その多様性を前提とした対人関係の在り方を理解し、実践する必要があります。
本授業では、集団における人間の行動の学習を通じて、人、組織、集団に関する心理学の基礎的知識を獲得して理解を深める(知識・理解:DP2)とともに、受講者自らの行動の理解、振り返りよりよい振舞い方について考えます(思考・判断:DP3)。さらに、集団の中で他者とどう関わることが集団のパフォーマンスを高めるかについて考える視点の獲得を目指します(態度:DP7)
より具体的には、集団が私たちの行動にどう影響するかについて社会的促進、抑制、手抜き、同調、服従などについて学習します。また、集団全体としてより成果を出すために何ができるかについて集団思考、集団極化などを学習します。さらに組織化されていない「集合」にみられる行動(パニックなど)も扱います。
(※DP・・・本学における学位授与・卒業認定のための指針)
【学習到達目標】
以下の2点を到達目標とします
・集団の心理について、基礎的な用語、理論の説明ができる
・集団を活気づけるための方法について、心理学の視点から提案できる
【履修上の注意】
授業内の発言や議論、小レポートへの優れた回答は高く評価する。一方、無断での遅刻欠席、授業中の逸脱行為等、組織集団・他成員に対して配慮を欠くが繰り返される場合には、授業目的を理解していないものと解釈し評価を下げる。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 指定しない。
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参考書 | 授業中に適宜紹介する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
毎回の小レポート等への回答状況等(40%)と試験(60%)による。前者について、単なる出席は評価対象とはならず、感想や意見・課題の提出が評価される。また、無断での遅刻や欠席が繰り返される場合には減点する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション~集団の理解・グループダイナミックス | |
2 | 社会的影響1:集団の構造、集団規範 | |
3 | 社会的影響2:社会的促進、抑制、手抜き | |
4 | 社会的影響3:同調、服従 | |
5 | 集団意思決定1:意思決定に関するワーク | |
6 | 集団意思決定2:集団思考、集団極化 | |
7 | 中間のまとめ、振り返り | |
8 | 集団のプロセス1:監獄実験の視聴と解説1 | |
9 | 集団のプロセス2:監獄実験の視聴と解説2 | |
10 | 集団のプロセス3:監獄実験の視聴と解説3 | |
11 | 集団のプロセス4:監獄実験の視聴と解説4 | |
12 | 集団のプロセス5:システムへの介入 | |
13 | 集合行動1:集合・群衆行動 | |
14 | 集合行動2:危機事態の行動 | |
15 | 授業のふり返りとまとめ | |
16 | 定期試験期間 | |