【講義概要】
観光は、訪れる人(ゲスト)と迎え入れる地域/人(観光地/ホスト)との関係で決まります。その間をつなぐのが旅行代理業です。それは、ビジネスとして、観光(産)業と呼ばれます。かつては、観光ビジネスは、観光文化との接点が希薄でしたが、近年では、観光地の文化を意識することが求められるようになりました。
本講義では、こうした今日的な観光の側面を、ビジネスと文化の接点を意識して話を進めていきます。テキストとして使用する『観光学への扉』は、ビジネスの現場の実務家と観光文化の研究者が議論を重ねて作ったものです。少し、古くなった部分は、講義で補いますが、観光の全体像を把握するには、よく出来たテキストです。
テキストの構成は、前半は、観光に関する歴史的な流れを、社会の変化と併せて考察します。そこでのキーワードは、マスから個への変化です。社会現象である観光も、マス観光から脱却し、新たな現象(ニューツーリズム)も見られるようになりました。
観光業に興味のある学生、地域の文化に関心のある学生とともに、観光地の文化資源を生かした現代の観光現象について一緒に考察を深めて行きたいと思います。
(この科目は、COC地域志向型科目です)
【学習到達目標】
・観光に関する基礎的な知識を得ることができる。
・観光を通じて、現代社会の様相を考察することができる。
・観光ビジネスと観光地の文化との接点を理解することができる。
【履修上の注意】
基本的に観光業に関する話であり、観光業に関心があることが必要です。観光や観光業に興味/関心がない学生には履修を薦められません。
テキストの内容は膨大なので、すべてを網羅して、説明することは困難です。そのため各自で、事前・事後に自習することが必要となります。基本、毎回、オムニバス方式で、各章完結させますが、全体の理解度等を勘案し、章を二回に分けることもあり得ます。その際には、各回の講義テーマで示した第7章以下の事例研究等を省きます。
【事前準備学習】
講義は、各自テキストの該当する章を事前に目を通しておくことを前提とします。その上で、講義メモにて、各章の要点を解説し、問題点を整理します。毎回、設問を設定しますが、講義時間中に時間が取れない場合は、宿題とします。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『観光学への扉』 井口貢編著、古池嘉和他著 学芸出版社 2007年 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
各回の課題の評価(20%)、中間の課題の評価(30%)、最終課題の評価(50%)
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンスー観光現象、観光ビジネスと観光文化についてなど | |
2 | マスツーリズムの時代(テキスト:第1章) | |
3 | マスツーリズムの行き詰まり(第2章) | |
4 | 消費者主導型観光の時代(第3章) | |
5 | 交通事業と楽しい移動空間(第5章) | |
6 | 観光メディアの多様化(第7章) | |
7 | 観光業の実際(観光業に関係するゲストを招いての特別講義) | |
8 | 中間レポート作成(第1章~第7章;第4章、第6章を除く) | |
9 | 感交学からみた観光施設(第8章) | |
10 | 観光資源と地域の文化資源(第4章) | |
11 | 脱開発の時代と持続可能なコミュニティ(第9章) | |
12 | 脱開発の時代と持続可能なコミュニティー事例研究(由布院温泉の観光まちづくり) | |
13 | 協働・連携としての観光(第10章)-事例研究(豊田市足助の観光まちづくり) | |
14 | 終章(現代の観光における諸問題を含む)/総括 | |
15 | レポートの作成 | |
16 | 定期試験期間 | |