【講義概要】
この講義ではさまざまな家族形態や通過儀礼を通じて、社会の構造と社会の成員としての人間についての理解を深めることを目指す。
家族の形態は文化によって異なる。マードックが「核家族論」を主張していらい、核家族が家族の原型と考えられてきたが、民族誌の研究が進むつれ、マードックの説に疑問を唱える研究者も出てきた。近年は、3世代同居の拡大家族が減少し、核家族化しているといわれる。さらに、核家族も崩壊し、個々人が共同体の防御もなく国家と向き合わな得ればならなくなってきている。
また、私たち人類は家族、親族集団、共同体という重層的な社会構造を築いている。この社会の成員として、一生の間にさまざまな儀礼や儀式を行う。通過儀礼とは、誕生儀礼、成人式、結婚式、葬式などの、人生の節目に行われる人生儀礼をさすものとして行われる。このような通過儀礼を通じて、人と人の結びつきや、人が人と関わり合うことについて文化人類学的にどのような意味があるのかを解説する。
【学習到達目標】
人間社会における家族とは何か、また、人生の節目に行われる通過儀礼の具体例を知ることで、人間の文化活動の本質を理解し自分自身を相対化してみることができるようになる。
【履修上の注意】
ノートの取り方を工夫してください。黒板を写すだけではなく、自分の頭で理解しながらノートにまとめてください。
毎回、講義の終わりに課題を出しますが、丁寧な字で書くこと。内容だけでなく講義への姿勢も、提出物から判断します。
【事前準備学習】
通過儀礼の具体例など、身近な文化現象について興味を持つようにする。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
毎回講義の終わりに課題を出しますので、その提出物の内容から平常点をつけます。期末試験70% 平常点30%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 文化人類学の目的と独自性 | |
2 | 異文化理解と人間の普遍性 | |
3 | 婚姻と家族 | |
4 | 霊長類の社会構造 | |
5 | 家族形態論 | |
6 | 文化と家族 | |
7 | 婚姻の分類 | |
8 | 親族構造とは | |
9 | 日本の親族構造 | |
10 | 地域社会 | |
11 | 血縁、社縁 | |
12 | ライフサイクル(1) | |
13 | ライフサイクル(2) | |
14 | 通過儀礼(1) | |
15 | 通過儀礼(2) | |
16 | 定期試験期間 | |