【講義概要】
乳幼児期は身体全体で他者とかかわり、楽しさやうれしさ、怒りや悲しみなど豊かな感情体験を重ねていく時期であり、人とかかわる力が育つ時期である。この時期にどのような人とどのような関わりを経験するのかは、その後の人間関係の発達において非常に重要である。まずは領域「人間関係」のこれまでと現在の考え方の変化から、人との関わりに関する保育内容や方法を学ぶ。さらに発達心理学に基づく子どもの「人間関係」の発達、自己への気付き、友だちとの出会い、仲間関係の芽生え、葛藤や自己主張などについて講義やグループワークを通して理解する。
また園での集団生活を通して人間関係が深まることにより、子ども同士が共通の目的を生み出し、協同する経験を積み重ねることを理解し、保育者の援助のあり方について実践事例から保育の場面をイメージしながら学ぶ。とくに遊びの中での人との関わりについてグループ討議をする中で理解する。さらに先生との関わり、地域社会での子育て支援、家族との関わり等、幼児教育の今日的課題について自分なりの考えを持てるようにする。
【学習到達目標】
・幼児を取り巻く人間関係を概観し、さまざまな人との関係性の中で発達していく幼児の姿を学ぶ。また、「子どもの育ちを支える保育者」としてのあり方を総合的な視点から理解する。
・幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領における領域「人間関係」のねらい、内容について理解する。
・実践課題、グループワークやディスカッションを通じて自己を振り返り、他者を理解する中で人とかかわる力を身に付ける。
・保育実践における保育内容を「人間関係」という視点で捉え、援助方法について理解し、実践につなげる。
【履修上の注意】
授業は講義が基本であるが、グループ討議やグループ発表も取り入れるので、自ら進んで参加すること。
グループディスカッションでは、互いの意見を尊重すること。授業内での体験が人間関係づくりの基本となるので、自らを振り返る姿勢を大切に授業に臨んでほしい。
【事前準備学習】
幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領のねらい及び内容「人間関係」を読んでおくこと。
教科書の事例を読んでおき、授業理解に役立てること。
生活の中で出会った子どもの姿をエピソードとして記録しておき、授業の予習や復習に役立てること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『事例で学ぶ保育内容(人間関係)』 無藤隆監修 萌文書林 2016 |
参考書 | 『幼稚園教育要領』 文部科学省 フレーベル館 2012 『幼保連携型認定こども園教育・保育要領』 内閣府 フレーベル館 2014 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
グループワークへの取り組みや発表 30%
レポート課題等の提出物 20%
定期試験 50%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス 幼児教育の基本 | |
2 | 自己のあり方 | |
3 | 先生ー子ども関係① 子どもの立場から | |
4 | 先生ー子ども関係② 先生の立場から | |
5 | 先生ー子ども関係③ グループワーク | |
6 | やる気について① 事例の検討 | |
7 | やる気について② グループワーク | |
8 | 子どもの仲間関係① 子どもの発達 | |
9 | 子どもの仲間関係② 保育者の援助 | |
10 | 自己を表現する① ワークを通して | |
11 | 他者を認める① 他者理解とは | |
12 | 自己を表現する② 相手に伝える | |
13 | 他者を認める② 他者の受容 | |
14 | 自他の違いを知り、分かち合う(グループワーク) | |
15 | ワークの振り返り 子どもの育ちを支える保育者とは | |
16 | 定期試験期間 | |