【講義概要】
「愛」には、さまざまな関係における愛(自己愛・夫婦愛・家族愛・友愛・その他)があり、またギリシア語ではいくつかの種類における愛(アガペー・エロース・フィリア・その他)があります。まず、それらの関係・種類における愛の特徴について考えていきます。しかし、それらの愛において、重要な要素もありますが、他方逸脱的な要素も起こってきます。それらの愛が、重要な要素を安定的に保っていくには、他の大きな愛がどうしても必要になってきます。それが、「聖書」における愛、すなわち、「アガペー」の愛です。この愛は、積極的な他者中心的愛・自己贈与的愛です。このアガペーの愛は、神の御子・救い主・イエス・キリストによって決定的・究極的に確証されております。このアガペーの愛を基本としたそれらの愛について、聖書を通して学んでいきます。
【学習到達目標】
上記の概要を踏まえることによって、本学の建学の精神「敬神愛人」について考察し、これを今後の各自の人生において常に覚えて、生かしていくことを目標にしています。
【履修上の注意】
この授業の第1回目において、このシラバスについて詳しく説明します。また、ときどき、このシラバスを各自確認しておいてください。
【事前準備学習】
授業の全回にわたって、出席者の発言や議論の時があるかもしれません。ともかくも、聖書を通してさまざまな愛について学んでいきますので、聖書特に新約聖書をふだんから読んで多少とも慣れ親しんでいた方がよりわかりやすくなるでしょう。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『聖書ー新共同訳(ハンディバイブル)ー』 日本聖書協会 『聖書ー新共同訳(ハンディバイブル)ー』(日本聖書協会)は、髙見のキリスト教授業における教科書ですので、毎回持参してください。 |
参考書 | 『聖書における愛ーイエスの愛とパウロの愛ー』 髙見伊三男 春風社 2011年 『キリスト教倫理ⅠⅡⅢⅣ』 K.バルト 新教出版社 1971年 『教会教義学ー和解論Ⅱ/4(§68聖霊とキリスト教的愛)』 K.バルト 新教出版社 1987年 『四つの愛』 C.S.ルイス 新教出版社 2011年 『アガペーとエロースⅠⅡⅢ』 アンダース・ニーグレン 新教出版社 1954年 さらに、『2017スタンダード基礎セミナー』(名古屋学院大学基礎セミナー検討会編、2017年4月1日) |
指定図書 | 『聖書における愛:イエスの愛とパウロの愛』 高見伊三男 春風社 2011.10 |
【評価方法】
平常点(48点)+)+定期試験(50点)+チャペル・カレッジ・オルガンアワー(2回まで3点ずつ、3回以上2点ずつ加点)+授業時聖書朗読・他(1回2点加点)+日本基督(キリスト)教団の諸教会の日曜礼拝(1回2点ずつ加点=合計点
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス | |
2 | ギリシア語の諸種の愛ー「アガペー」「フィリア」「エロ-ス」他ー | |
3 | 神の愛ー父なる神の恩愛ー | |
4 | イエスの愛ー神の御子の愛ー | |
5 | イエス・神への愛ー礼拝・他ー | |
6 | 神・イエスへの愛ー「敬神愛人」①ー | |
7 | 隣人愛ー「敬神愛人」②ー | |
8 | 隣人愛ーさまざまな隣人愛ー | |
9 | 自己愛ー否定と肯定ー | |
10 | 夫婦愛ー恋愛ー | |
11 | 家族愛ー親子愛・兄弟愛ー | |
12 | 友愛ー友情ー | |
13 | 国家愛ー民族愛ー | |
14 | 自然愛ー神の恵みー | |
15 | 物質愛ー恵みと誘惑ー | |
16 | 定期試験期間 | |