名古屋学院大学シラバス


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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
2限地中海文化圏論秋A名古屋 22有田 義之WB2364

【授業情報】

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講義概要

西ヨーロッパはアルプス山脈を境として、北と南では気候・風土が全く違う。気候・風土は文化にも影響する。地中海地域にはアルプスの北とは一味違った文化があり、別の気質を持った人たちが生活している。
西ヨーロッパ世界を考察するに際して地中海海域の歴史を無視することはできない。それは紀元前から異文化の交錯する地域として文化・産業が行き交い、多様な人的交流を通して独特の文化ゾーンを形成してきた。時には連帯し、また敵対し、時には東西交渉の場として、政治や宗教や商業的思惑を媒介させながら、ローマ帝国以降の西欧文化に多大な影響を与えた。このような関係はいまも旧宗主国と新興独立国家、キリスト教世界とイスラム教世界、両者の間に存在したユダヤ人社会、民主的国家と独裁的国家など複雑な諸関係を形成し、現代国際政治・文化の重要課題となっている。本講義ではそのような歴史と現状をひとつのまとまった地域として考察するとともに、現代世界の問題点を偏見なく理解する一助としたい。



【学習到達目標】

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3宗教について、価値判断するのではなく、偏見を持たずに理解できるようになること。イスラム文化の質の高さを理解し、キリスト教の側からの視点のみで地中海文化を考えないようになること。最終的には塩野七生の「ローマ亡き後の地中海世界」という本を批判的に読めるようになること。



履修上の注意

・地中海の地図をよく見ておくこと。たとえばシチリア島やパレスチナといった地域、ローマ、ヴェネツィア、イスタンブール、エルサレム、カイロといった都市が地図上のどこにあるかを理解しておくこと。
・テレビのBS放送などで、イタリア、フランス、スペイン、ギリシア、トルコなどについての特集番組をできるだけ見ておくこと。



【事前準備学習】

・とくに予習は求めないが、睡眠はよくとっておくこと。
・初回に地中海の地図を配布する。講義中に新たな地名が出てきたら、事後必ず諸君の地図に書き込んでおくこと。
・講義終了後は、諸君のノートを見ながら「あの講師、いったい何が言いたいんだろう?」と最低10分間考えてもらいたい。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書-教科書は、登録されていません。-
参考書-参考書は、登録されていません。-
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

試験60%  平常点40%
期末試験は必ず実施し、その結果で60%評価する。
平常点は、ときに行う地図の点検結果、討論への参加状況を判断して評価する。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
11: 地中海の地理と風土、文化の特性
22: フェニキア人とギリシア人の植民活動と文化の伝播
33: ローマ帝国と「ローマ化」ということ
44: ユダヤ教とキリスト教①(4世紀まで)
55: ユダヤ教とキリスト教②(5世紀以降)
66: イスラム教の成立および発展
77: 高度なイスラム文化、ヨーロッパに与えた影響
88: 十字軍―‐二つの一神教世界の激突
99: オスマン帝国とキリスト教世界
1010: 地中海の海賊――塩野七生の新しい視点
1111: 地中海の十字路・シチリア島の歴史
1212: 宗教改革――アルプスの南と北
1313: アジア的なもの、ヨーロッパ的なもの
1414: パレスチナ――アラブ人とユダヤ人
1515: 現代のシリアやISの問題を考える
1616: 定期試験期間