【講義概要】
韓国は日本に最も近い隣国である。しかし、歴史的経過、とりわけ明治時代以降の歴史認識などをめぐって相互理解が著しく欠落しているのが現状である。すでに日本による朝鮮半島支配を現実として知らない世代が中心を占めるようになり、歴史を知らないことに起因する反韓国感情や、テレビドラマおよび音楽などの芸能のみを知識の源泉とする韓流ブームなど、相互に対等な文化交流とは趣を異にする社会反応が日本人の韓国事情理解の中心を占めているのが現状であろう。本講義では 韓国の文化と社会に関するトピックスを通して韓国の歴史と社会的現状を正しく理解すると共に社会心理学的観点から韓国民の文化や価値観について概観し、日本と韓国の好ましい文化交流のあり方などについて考える。
【学習到達目標】
韓国の歴史・文化・社会に関する多角的な情報に触れることを通して日韓の共通点と相違点に関する理解を深め、日韓相互にとっての未来志向の建設的な交流のヒントを得る。
【履修上の注意】
授業中に、小課題別グループ発表が義務付けられるが、この発表を行わない学生は単位認定されないので、注意すること。
なお、授業中のディカッションへの参加度ならび小レポートや授業内容の理解を確認するリアクションペーパなども期末評価の対象となるので、積極的な受講態度で臨んでほしい。
【事前準備学習】
1)韓国に関する基本情報について調べておく。
2)関心のある韓国文化(料理・ドラマ・音楽・政治・経済)に触れ、日本との共通点や差異について整理しておく。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 必要に応じて資料を配布する予定である。日韓関係に関する資料は、可能な限り中立的で、かつ研究等によって確認されたものを使用する予定である。 |
参考書 | 『心で知る、韓国』 小倉 紀蔵 岩波書店 2012 『「韓流」と「日流」〜文化から読み解く日韓新時代』 クォン・ヨンソク NHK出版 2010 『向かいあう日本と韓国・朝鮮の歴史 近現代編』 日本)歴史教育者協議会 &(韓国)全国歴史教師の会 (編集) 大月書店 2015 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
グループ課題発表(50%)、レポート・リアクションペーパー・受講態度(50%)
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス(自己紹介並び課題の割り当て) | |
2 | 韓国語とハングル | |
3 | 韓国の食文化(韓職) | |
4 | 伝統的服装(韓服)と伝統家屋(韓屋) | |
5 | 韓国社会における儒教文化の影響 | |
6 | 韓国の大衆文化Ⅰ:大衆映画やドラマ | |
7 | 韓国の大衆文化Ⅱ:大衆音楽 | |
8 | 韓国の経済と若者の就職事情 | |
9 | 朝鮮戦争と南北の問題ならび韓国の兵役制度 | |
10 | 韓国における民主化運動と民衆主義 | |
11 | 朝鮮半島の近代史における日本の影響1:植民地時代を中心に | |
12 | 朝鮮半島の近代史における日本の影響2:日韓国交正常化とその後 | |
13 | 日本における在日コリアン:解放後の動きと日本社会における待遇を中心に | |
14 | 日韓にまたがる政治的問題の緒現状 | |
15 | 韓国と日本の交流の今後を考える | |
16 | 定期試験期間 | |