【講義概要】
日本の歴史や文化は、周辺のアジア諸国・諸地域との接触のなかで育まれてきた。日本・日本人の歴史を考えるうえで「アジア」との交流と相互影響の考察は欠かせない視点であり、現代の複雑な国際関係を理解するためにも、過去のアジア交流の歴史についての正確な理解が必要である。本講義では、前近代における日本とアジア諸国・諸地域との交流の歴史を東アジアから東南アジアにまたがる環シナ海文化圏の広がりのなかで考察・理解する。
【学習到達目標】
前近代における日本とアジア諸国・諸地域との交流の歴史を理解し、アジア世界における日本の位置づけを史的背景をもとに考察することができる。
【履修上の注意】
授業への出席に加えて、プレゼンテーションやディスカッションへの意欲的な取り組みを評価します。
出席が規定に満たない場合は、失格となります。
【事前準備学習】
各回ごとに学習事項を復習し、次回のテーマについて予習をしてくること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『アジアのなかの戦国大名―西国の群雄と経営戦略―』 鹿毛敏夫 吉川弘文館 2015 |
参考書 | 『史跡で読む日本の歴史8―アジアの中の日本―』 服部英雄 吉川弘文館 2010 『世界史のなかの戦国日本』 村井章介 筑摩書房 2012 |
指定図書 | 『描かれたザビエルと戦国日本 : 西欧画家のアジア認識』 鹿毛敏夫編 勉誠出版 2017.1 『「倭寇図巻」「抗倭図巻」をよむ』 須田牧子編 勉誠出版 2016.4 『日明関係史研究入門 : アジアのなかの遣明船』 村井章介編集代表 ; 橋本雄 [ほか] 編集委員 勉誠出版 2015.10 |
【評価方法】
平常点70%(課題発表30% 授業態度40%)、レポート30%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 大内氏の対明貿易 | |
2 | 相良氏の遣明船と肥後宮原銀 | |
3 | 大友氏の遣明船 | |
4 | 遣明船貿易の表と裏 | |
5 | 遣明船は何を運んだか | |
6 | 九州産硫黄の大規模調達 | |
7 | 硫黄産地の社会構造 | |
8 | 「サルファーラッシュ」の遺跡 | |
9 | 渡来「唐人」の活動 | |
10 | 「唐人」仏師と大友氏・豊臣氏 | |
11 | 九州中世社会の唐人文化 | |
12 | 松浦氏・島津氏の東南アジア外交 | |
13 | 大友氏とカンボジア | |
14 | アジアン大名とキリシタン大名 | |
15 | アジア史のなかの戦国大名 | |
16 | 定期試験期間 | |