【講義概要】
「男性は外で仕事をし、女性は家庭を守る」「男性はたくましく、女性は優しく」というような性別にもとづく役割分業を聞くことがある。こうした性にもとづく役割分業は、それ自体「正しく」、「当たり前」のことなのだろうか。
この授業では、学生が、性に基づく役割分業を再考するジェンダーの社会学を学ぶ。まず、ジェンダーという視点について検討したのち、専業主婦や家事・育児・介護、生殖医療、グローバル化といった社会現象について、ジェンダーの視点から解読する。最後に、まとめとふりかえりを行う。
なお、この授業では毎回、テーマに関連する小課題に取り組む時間を設ける。単位取得のためには欠かせない作業となるので、継続的にクラスに参加できないと履修は難しいと考えてほしい。
授業の構成や進め方、課題や成績評価などは、初回のガイダンスで説明する。受講する学生は、必ずこのガイダンスに出席すること。
【学習到達目標】
①学生が、ジェンダーの視点から家族や労働、医療やグローバル化について解読できる。
②学生が、ジェンダーの問題について自分なりの解決策を提案できる。
③学生が、性にまつわるさまざまな「当たり前」を疑えるようになる。
【履修上の注意】
「ジェンダー論」では、学生が、個別学習に加えて、ペアやグループ単位で取り組む協同学習に取り組む機会がある。
関連科目として、「国際人権論」などがあるので、ジェンダーに関する知識を深めるために併せて履修することができる。なお、外部講師による講演会、学外実習などが企画されることもある。
【事前準備学習】
国連婦人の地位委員会(CSW)やWomen Watchなどの国際機関の他に、男女共同参画局や国立女性教育会館などの国内機関のウェブサイトを見て、性をめぐるさまざまな問題にふれておいてほしい。また新聞やニュースなどを見ながら、さまざまな性にまつわる問題について確認しておいて欲しい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 授業は、パワーポイントのハンドアウトなどを使用する。 |
参考書 | 『女性学・男性学―ジェンダー論入門』 伊藤公雄・樹村みのり・国信潤子 有斐閣 2002 『21世紀家族へ 第三版 ―家族の戦後体制の見かた・超えかた』 落合恵美子 有斐閣 2004 『ジェンダーで学ぶ社会学 全訂新版』 伊藤公雄・牟田和恵編 世界思想社 2015 この他の資料は、授業中に紹介する。 |
指定図書 | 『ジェンダーで学ぶ社会学 全訂新版』 伊藤公雄, 牟田和恵編 世界思想社 2015.10 『女性のデータブック : 性・からだから政治参加まで 第4版』 井上輝子, 江原由美子編/浅野千恵 [ほか著] 有斐閣 2005.1 |
【評価方法】
ジェンダー論は、最終試験(50%)、中間試験(30%)、平常点(20%)の総合点によって評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス | |
2 | ジェンダー研究の視点:「女らしさ」と「男らしさ」 | |
3 | 家族と労働:専業主婦の誕生 | |
4 | 家族と労働:核家族化 | |
5 | 家族と労働:結婚・出産・育児 | |
6 | 家族と労働:高齢化と介護 | |
7 | まとめ及び中間試験 | |
8 | 教育とジェンダー:学校・カリキュラム・進路 | |
9 | 医療とジェンダー:生殖と医療技術 | |
10 | 暴力とジェンダー:性暴力と性の商品化 | |
11 | 戦争とジェンダー:戦争と女性兵士 | |
12 | グローバル化とジェンダー:越境する母親 | |
13 | グローバル化とジェンダー:国際移民 | |
14 | グローバル化とジェンダー:開発援助 | |
15 | ジェンダー研究の現代的課題 | |
16 | 定期試験期間 | |