【講義概要】
翻訳には高いレベルの語学力が要求される。外国語の読解力、異文化理解、日本語の語彙、文意に応じた文体を操るセンス、このどれが欠けても正確な翻訳は覚束ない。
この講義では、(1)英語を日本語へ翻訳するうえで障害となる、両言語の構造上の相違点の数々に着目し、(2)プロの翻訳家の訳文を参考に、日本語らしい表現や文体上の工夫を学び、(3)実際に様々なジャンルの英文を訳すことにする。誤訳から学ぶことも多いので、学生やプロによる誤訳(と思われるもの)の実例の数々を取り上げ、誤訳が生じるメカニズムの一端を解明したい。
また、受講者数にもよるが、一方的な講義は避け、演習の要素を多分に含ませたいと考えている。積極的な授業参加を期待するが、そのためには、相応の予習が必要になる。
【学習到達目標】
(1)日本語の語彙力と文体上のセンスを高め、(2)英語を正確に読む力を養い、(3)読み取った英文を達意の日本語に訳す。
【履修上の注意】
言うまでもなく、この講義ですべてが解決することはありません。これまでに読んだ英文の量、書いた日本語の量が大きくものを言います。Penguin Readersなどのグレーデッド・リーダーズや翻訳小説を読むことをお勧めします。
【事前準備学習】
授業中に何度も発言を求められます。シラバスの講義テーマ(授業予定)に沿って、しっかりと予習してください。宿題も高い頻度で課されます。必ず期限内に提出できるようにしましょう。また、授業で扱いきれない量の練習問題をCCSに用意してあるので、必ず解いておいてください。それも試験範囲に入ります。解答例は試験前に提供します。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | こちらでファイルを用意します。ダウンロードと印刷は各自で行ってください。 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
期末試験(80%)、授業中の発言や小テスト(20%)。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 翻訳ソフトの翻訳、学生の翻訳 | |
2 | 翻訳家の翻訳 | |
3 | 日本語らしい表現を求めて | |
4 | 日本語を磨く練習問題:口語英語編 | |
5 | 日本語を磨く練習問題:硬い英語編 | |
6 | 名詞中心の英語を日本語に:無生物主語 | |
7 | 名詞中心の英語を日本語に:動詞の名詞化 | |
8 | 名詞中心の英語を日本語に:練習問題 | |
9 | 文構造の把握 | |
10 | 辞書の訳語が使えない例 | |
11 | ジョークの翻訳 | |
12 | 日本語を磨く練習問題:より柔軟な日本語を | |
13 | 新聞の翻訳 | |
14 | 誤訳が生じる背景 | |
15 | 日本語から英語への翻訳:詩と小説 | |
16 | 定期試験期間 | |